2017年度活動レポート(一般公募コース)第99号
森林資源系サマースクール“FORESTS OF JAPAN 2017”
筑波大学からの報告
筑波大学の生物資源学類関連の教員が中心となって、2017年9月2日~10日に森林資源系サマースクール“FORESTS OF JAPAN 2017”を開催しました。
参加したのは国立台湾大学の森林環境および資源学系の大学部学生5名、修士課程の院生5名、引率教員1名の併せて11名です。サマースクールの前半は東京大学大学院農学生命科学研究科で研修を行い、合同開催となりました。
<9月2日>
台北の桃園空港から中部国際空港に到着した後、東京大学のバスで移動し、まず同研究科の生態水文学研究所(愛知県瀬戸市)を訪れました。スクール全体の目的や活動内容を地図を使って時系列で紹介しオリエンテーションとしました。夕方の空き時間を利用し、同所赤津研究林にある砂防植栽林の見学をまず行いました。
<9月3日>
天然生林、人工林、砂防植栽林の植生と間伐が水文・水質に及ぼす影響に関する実習で、特に水文学では重要な堆積土砂量測定を砂まみれになりながら行いました。
<9月4日>
早朝にバスで富士癒しの森研究所(山梨県山中湖村)に移動し、歴史的な民衆信仰である富士講で使われた旧登山道の一部を歩き、世界文化遺産としての富士山と森林について考え、研究所近辺では森林整備の実習を行いました。
<9月5日>
弥生キャンパス(東京都文京区)に移動し、東京大学大学院農学生命科学研究科森林科学専攻、および生物材料科学専攻関連研究室の見学を行いました。東京のホテルで一泊し、唯一都会の喧騒を経験しました。
<9月6日>
筑波大学に移動し、筑波キャンパス(茨城県つくば市)での生物資源学類関連研究室3箇所を見学し、その後交流会を開催しました。
<9月7日、8日>
宇都宮大学日光演習林(栃木県日光市)を訪問しました。奥日光の自然植生観察、特によく生育したミズナラ林、ウラジロモミ林を観察し、台湾との共通性や違いなどを話題に討論しました。
また、奥日光のニホンジカ問題を林業の観点から考察するために、樹皮剥ぎ、防護柵の見学を行い、帰り道では、日光杉並木見学、日光自然博物館見学を行いました。
<9月9日>
国立科学博物館筑波実験植物園において、日本の希少植物種や熱帯、乾燥地の植生などを温室で観察し、生物多様性を学びました。
9日間にわたりバスで総延長830kmを移動しながらの研修を終え、成田空港から帰国しました。大変お疲れだったと思いますが、好評で大変充実したスクールになりました。
ご協力頂いた教員・学生の方々ありございました。
このスクールは、2016年に国立台湾大学実験林で最初に受け入れが始まり、筑波大学からは学類生3名が参加しました。その後交互に開催することになっており、2017年度は日本側で受け入れ、2018年度はまた国立台湾大学が開催する予定になっています。