2017年度活動レポート(一般公募コース)第98号
中国の優秀な高校生が、日本の文化と科学技術を体験する
日本ユースリーダー協会からの報告
(公財)日本ユースリーダー協会は、さくらサイエンスプログラムの支援により、2017年10月1日~7日の日程で、中国陝西省から13名の高校生(男性4名、女性9名)と1名の引率者の計14名を迎え、科学技術交流のプログラムを実施いたしました。
中国国慶節の連休を利用して来日した高校生たちは、西安科学技術局より選りすぐられた優秀な学生で、非常に関心が高く、7日間の短期間のでありながら、十分な成果を得て帰国されました。
研修中は下記プログラムを通じて、産業、宇宙開発、エネルギー、地球環境、ロボット技術などの各視点から日本の科学技術を学び、理解を深めました。
<科学技術未来館、科学技術館見学>
日本科学未来館では、物理学の「万物の理論」をテーマにした臨場感溢れる3Dドーム映像を楽しみ、難解な数式で表現される理論物理学の最前線を体感しました。
<新日鐵住金株式会社鹿島製鉄所視察>
世界最高の技術力とものづくりの力で、鉄事業を通じて社会に貢献する新日鐵住金株式会社の鹿島製鉄所では、熱気を肌で感じながら、迫力ある製鉄の行程を興味深く見学しました。
特に熱間圧延工場では、鉄の塊が一気に板状で延ばされる光景に圧巻されている様子でした。見学後は、熱心で活発な質疑応答が行われ、製鉄・発電・エネルギー・環境を総合的学ぶとてもよい機会になりました。
鹿島製鉄所は東京から約100Km。道中、のどかな風景も楽しむことができました。
<三菱みなとみらい技術館見学、横浜市内散策>
三菱みなとみらい技術館では、航空宇宙ゾーンなどでの日本の最先端技術体験を通じて、技術の進化を確認することができました。
この日は晴天に恵まれた一日となり、山下公園では、海を背景に写真撮影も楽しみました。中国内陸からやってきた学生たちにとって、海が見える山下公園での散策は大変貴重な機会にもなったようです。
<私立品川女子学院授業見学、交流会>
当学院は今回の受け入れに対して、大変協力的で、とても温かい雰囲気で中国の学生たちを歓迎してくれました。体育授業(卓球)、昼食、英語の討議レッスン、部活動(バトミントン部、バトン部)と様々な場で、中国人学生と同校の生徒が交流できるように企画してくださり、中国、日本の双方の学生にとってとてもよい国際交流の機会となりました。
同世代の若者同士打ち解けるのがとても早く、学生たちの笑顔が多く見られた一日でした。
<池袋防災館訪問・浅草散策>
池袋防災館では、中国語字幕の防災ビデオの視聴、地震体験を通じて、震災の恐ろしさ、防災訓練、自分の命を守ることの大切さを学びました。インストラクターの方から、科学的な立場から地震メカニズムについて、わかりやすい説明を受け、改めて地震について考える機会となりました。
帰国を翌日に控えた午後は、リラックスして、江戸の風情を残す東京の下町浅草散策を楽しみました。
今回のプログラムを終えて、大変充実した一週間であり、日本の科学技術への更なる関心を高められた貴重な機会となったと感想が寄せられました。
日本文化をもっと理解したい、再び日本を訪れたいという思いが膨らんだと聞き、受け入れ機関として、成功の理に終わったと喜びに浸ると同時に、成功の大きな要因として、各訪問先の多大なる協力、ご厚意によるものと、心より感謝しております。
学生たちには、このプログラムで体験されたことを自国に持ち帰り、これからのアジアの科学技術の発展に貢献していただきたいと思います。
そして今後も若者たちが科学技術分野で交流を深め、さらに向上・発展していけるような研修に関わっていきたいと強く願っております。