2017年度活動レポート(一般公募コース)第96号
アジア5カ国から10名の学生が高知県の最先端技術を体感
高知工科大学からの報告
2017年8月4日~13日にかけて、ハルビン工程大学、香港理工大学(中国)、韓国科学技術院(中国)、キング・モンクット工科大学トンブリ(タイ)、パテイン大学(ミャンマー)から計10名の学生が高知を訪問し、高知工科大学の研究室見学・講義、県内企業見学を通して最先端技術について学びました。
まずは、先川信一郎国際交流センター特任教授による日本に関する講義をとおして、日本の歴史や文化を学んだ後、オリエンテーションにて自己紹介やスケジュールの確認等を行い、午後から講義がスタートしました。
最初の講義は、システム工学群島弘教授による “The Longest Bridge in the World”です。世界にある様々な橋の構造や作り方を紹介し、日本の建設技術を紹介していただきました。その後、お互いのバックグラウンドをより知ることを目的に、各参加者に自国についてプレゼンテーションをしてもらいました。
2日目は、本学共通教育教室Paul Daniels教授、総合研究所菊池豊特任教授による再生可能エネルギーに関するクイズを問いた後、本学近辺の物部川の水流を活用した小水力発電所を訪問しました。近辺の農業のために作られたこの発電所の仕組みを説明してもらうことで理解を深めました。
大学に戻ってきてからは、システム工学群李朝陽教授による”Renewable and Alternative Energy”の講義を受講し、水力発電以外の再生可能エネルギーについて学びました。
3日目は、本学にあるCHEC(Center for Human-Engaged Computing)の外国人留学生に研究内容について実演を交えながら説明をしていただきました。今後、高齢化社会が深刻になるにつれてお年寄りでも操作しやすい機械の需要が高まってきます。そのための人間とコンピューターのシナジー作用について、ゲームなどを体験してもらいながら学びました。
午後は、システム工学群荻野要一講師による”Supersonic Flow Computation”、環境理工学群河野日出男教授による “Electron Microscopy for Materials Science”、経済・マネジメント学群那須清吾教授による"Creating Value at Regions~Entrepreneur and Strategy~"を受講しました。
荻野要介講師からは現在研究されている超音速流体について、河野教授からは物質科学分野における電子顕微鏡について説明がなされました。那須教授は自身が代表取締役を務める(株)グリーン・エネルギー研究所について、高知県での起業という観点からも含めて講義を行いました。
本学以外には、まず(株)技研製作所を見学しました。環境にやさしい独自の圧入技術を利用したインプラント工法による駐輪場・駐車場の地下建設や堤防等をとおして、世界展開をしている高知県発の企業に、学生たちは興味深そうに見学をしていました。
また、前日に講義で話を聞いていた(株)グリーン・エネルギー研究所を実際に見学し、高知県の森林を利用した再生可能エネルギーの仕組みについて学びました。最後に、高知県中土佐町に防災のために建てられた津波避難タワーにて、役場の方からその機能や中土佐町における防災への取り組みについて、話を伺いました。
来日するまで高知県についてほぼ知識のなかった学生たちは、本学で行われている最先端技術の研究や、それを有する県内企業を見学することで高知県に魅了されたようです。日本への留学や本学への留学を希望するという声も聞くことができました。