2017年度活動レポート(一般公募コース)第95号
モンゴル高専との絆を育む技術者教育プログラム
品川区からの報告
品川区では、さくらサイエンスプログラムの支援を受けて、2017年9月4日から11日まで、モンゴル国の高専(高等専門学校)の学生9名および引率の教員1名、計10名を品川区へ招へいしました。
このプログラムは、2014年の9月に設立されたモンゴル国の高専の学生と区内製造事業者・都立産業技術高等専門学校等との科学技術分野における交流・連携事業を実施することにより、長期的な科学技術分野での相互交流を図るとともに、技術者不足に悩む区内製造事業者における人材の確保、技術者の育成および事業の継続を支援するために実施したものです。
<品川区長へ表敬訪問>
プログラム初日には、品川区の濱野区長へ表敬訪問を行いました。濱野区長からは、歓迎の言葉と品川区のものづくりの歴史、近年のものづくり企業の技術者不足等についてお話しいただきました。記念品の贈呈では、モンゴル高専の学生より、品川区のシティプロモーション事業のキャッチコピーである「わ!しながわ」とモンゴル語で書かれた掛け軸が送られ、濱野区長も笑顔を見せていました。
<品川区内の製造事業者3社を訪問>
2日目以降は、日本の優れた技術や製品に触れていただくため、品川区内の製造事業者、㈱勝亦電機製作所、㈱三ツ矢、㈱東京鉸製作所を訪問し、技術体験等を行いました。初めて見る製品や工作機械、加工技術等に学生達は興味津々。講義や実習後には多くの質問が出ていました。めっき体験やヘラ絞り体験等の実習についても一生懸命取り組む姿が見られました。
<都立高専の学生との交流事業>
都立高専の学生との交流事業として、共同で電圧変換器の製作実習を行いました。はじめに、電圧変換の原理の説明や変換器の作動を実演していただいた後、回路図の確認や工場のボール盤を使用した金属板への穴空け、ハンダゴテを使った回路の接続等、それぞれの作業工程において、都立高専の先生や学生の皆さんからアドバイスを受けながら作業を進め、全員、電圧変換器を完成させました。
<施設見学>
プログラムの中では、品川区が2015年6月に新たに開設した品川産業支援交流施設(SHIP)において、品川区の紹介や施設見学、工房での実習を行うとともに、品川区内(五反田)の企業で研修生として働いているモンゴル人留学生の先輩より、日本に来たきっかけや日本での生活等についてお話をしていただきました。
江東区青海(お台場)にある東京都立産業技術研究センターを訪問し、依頼試験や研究内容等の事業紹介を受けるとともに、最先端の機器等の見学をさせていただきました。
<日本文化体験>
さらに、日本文化体験として、お箏の演奏体験や茶道体験、バスでの品川区内・東京都内の視察などの機会も設けました。
最終日には、8日間の交流事業の成果発表を行いました。交流事業を通して学んだことや感じたこと等について、学生一人一人が発表しました。
品川区では、次年度以降も本交流事業を継続的に実施していくとともに、1ヶ月程度のインターンシップの実施等、次のステップに向けた取り組みを進めていきます。