2017年度活動レポート(一般公募コース)第94号
インドの若手女性研究者が日本の保健・福祉・衛生への取り組みを学ぶ
宮崎大学医学部からの報告
宮崎大学医学部では、2017年7月3日から7月12日の10日間、応用生理学分野Radha Madhyastha 助教 が中心となり、インド国内の7つの機関から女性の教員、研究者、学生の11名(内1名は引率者)を招へいしました。「インドにおける生活の質(QOL)向上を目指した医療科学技術の向上- 女性研究者の果たす役割と必要な支援制度」をテーマに学内、学外施設で視察、講義、実習を行いました。
プログラム1日目は、宮崎大学医学部のスタッフが宮崎空港で出迎え、受入教室のスタッフとウェルカムパーティを行い、交流を深めました。
2日目は、宮崎大学医学部電顕センターの視察を行い、最新式の共焦点顕微鏡を用いた細胞移動の観察、実験への応用に関する指導を受けました。
3日目は、医学部附属病院の総合周産期母子医療センターを視察し、NICUでの医療管理、およびその最新技術について学びました。また、大学敷地内に設置されている「くすの木保育園」を訪問し、本学職員のための子育て支援について視察を行いました。
4日目は医学部応用生理学研究室で、癌細胞のアポトーシスに関する講義とFACS法による細胞選別実験、観察の実習を体験しました。
応用生理学ラボでの実習体験
5日目は、宮崎大学工学部の研究室を視察し、原子吸光光度計(AAS)やICPSを使ったヒ素の分析や産業排水解析の講義を受けました。
伊藤講師からヒ素の分析について講義をうける参加者たち
週末は宮崎の地域文化視察と日本文化を経験する2日間とし、学外へ出かけました。まず、「エコクリーンプラザみやざき」を視察し、廃棄物処理のシステムや社会を衛生的に保つための仕組み、廃棄物リサイクルの普及、およびその最新技術について学びました。
また、着付け教室へ参加し、日本の伝統文化と作法についての講義を受けました。さらに日南飫肥地区を訪問し、宮崎の美しい自然と地元の味を楽しみました。
カラフルな浴衣をまといお茶の作法を学ぶ参加者たち
8日目は宮崎大学農学部を視察し、海洋生物環境学や植物生産環境科学の研究室を視察し、講義を受けました。
また、この日は宮崎大学の女性研究者および教員との交流ランチミーティングに参加しました。社会と研究における女性の役割について、また家庭生活とキャリアの両立をバランスよく保つための支援などについて積極的なディスカッションが行われました。
9日目は成果報告会を実施し、参加者それぞれがSSPプログラムでの経験を通しての感想と今後の研究、科学技術、女性の社会的地位向上をトピックに取り上げ発表を行いました。その後の修了式では、丸山眞杉医学部長から各参加者へさくらサイエンスプログラムの修了証書が授与されました。
参加者は初めて訪問する日本で多くのことを経験し、受入機関側も女性研究者の活躍、ライフワークバランスについてといった共通のテーマで交流を深めることができ、大変貴重な機会となりました。
最後に、このような機会を与えてくださいましたさくらサイエンスプログラムならびに、関係者の皆様に心より御礼申し上げます。