2017年度活動レポート(一般公募コース)第77号
インドネシアの高校生が日本のICT技術の可能性について学ぶ
立命館大学情報理工学部からの報告
立命館大学情報理工学部では、さくらサイエンスプログラムの採択を受け、2017年9月18日から9月23日の間、インドネシアの第78国立高校、レギナパチス高校、ラブスクールラーマンガン高校から高校生8名、教員3名を受け入れ、「日本社会に見るICT技術の可能性について」と題して、プログラムを実施しました。
このプログラムは、生徒たちが様々な施設見学を通じて、日本の科学技術について見聞を広めながら、ICT(Information and Communication Technology 情報・通信技術)がいかに日本の社会で活用されているかを実感し、立命館大学情報理工学部で実施されるICT技術の最先端となる研究紹介や、ITを駆使して自ら創作する体験型PBL(Project-Based Learning 課題解決)授業等を通じて、将来にわたってインドネシアと日本の科学技術分野交流の担い手となることを目指す動機づけとなることを目的として、企画しました。
科学技術の見学については、京都宇治の抹茶製造販売工場にて、抹茶の製造、精撰加工ラインを見学し、その工程においてICT(プログラミング)が活かされていることを学び、また日本文化への理解として、抹茶を点てることも経験し、日本独特の味も体験しました。
また、大阪のナレッジキャピタル(The Lab.)、ダイキン工業や京都鉄道博物館を訪問し、コミュニケーターのガイドとアドバイスに従って、VR(virtual reality 仮想現実)やAR(Augmented Reality 拡張現実)を用いた企画を体験しました。
グランフロント ナレッジキャピタル(The Lab.)にて、「TLFスピーカ」やVRを体験する生徒たち
またITカーや印刷技術、メディアと音楽とITの融合、鉄道のATS(Automatic Train Stop 自動列車停止装置)、ATC(Automatic Train Control 自動列車制御装置)システムの仕組み等、日本の最新のモノづくりの技術に触れ、皆、日本のIT技術の高さに感動した様子でした。
立命館大学情報理工学部では、ITについての研究紹介やプログラミングによるマイクロコントローラの制御、LED制御に関わる内容をテーマとしたPBL学習を経験し、座学で学習した内容を実装することで、大学での授業や研究内容と日本社会におけるICTの活用の繋がりについて認識してくれたことと思います。
帰国前日には、修了式とフェアウェルパーティーを行い、学部長や情報システムグローバルコースに所属する学生や教員、職員と交流を行いました。
立命館大学情報理工学部では、2017年度4月より英語のみで学位を取得可能なコースを開設しており、インドネシアはもちろんのこと、世界各国から国際学生を募集しています。
理系分野で、英語で学位がとれる大学や学部は、日本にはまだ数えるほどしかありません。今後、同様の取り組みが日本全体に広がれば、海外のより多くの高校生や学生に日本のIT技術の高さを認識してもらえるようになり、日本の大学への進学動機の醸成になるのではないかと思います。
本学部の将来の課題と展望を認識し、本プランを通して得た経験をもとに、さらに国際化に邁進していきたいと考えています。