2017年度活動レポート(一般公募コース)第74号
フィリピン大学との交流を深めるサマースクール
大阪大学レーザー科学研究所からの報告
2017年7月24日から30日にかけて、さくらサイエンスプログラムによるILE-NIPサマースクールが実施されました。本スクールは大阪大学レーザー科学研究所(ILE)と フィリピン大学国立物理学研究所(NIP)の交流を目的としたものです。
フィリピン大学国立物理学研究所は、フィリピン大学ディリマン校物理学科の研究機関で、フィリピンにおける物理学教育及び研究の最高の機関とされています。
レーザー科学研究所では、普段より共同研究活動の一環として外国の研究者と学生を毎年招待しています。特に猿倉教授の研究室では、2008年からフィリピン大学国立物理学研究所から4人のフィリピン人教授と7人の学生を招いています。
現在このプログラムに携わったサルマゴ教授・ガルシア教授も、過去にこれらのレーザー科学研究所からの招待を受けた事があります。彼らの訪問により、長期的な共同研究や、大阪大学院生としてのフィリピン人学生の来日などが実現しています。
本スクールでは、若手フィリピン人学生をレーザー科学研究所へ招待して、見学ツアー、講義、実験室体験、キャリアガイダンスなどが行われました。
見学ツアーでは、レーザー科学研究所の大型レーザー装置を中心に、さまざまな研究設備の見学を行いました。
スタッフによる講義では、レーザー科学研究所の研究活動について紹介するだけでなく、基本的な物理学や材料科学、工学の概念についても講義が行われました。
さらに、レーザー工学への関心をさらに刺激するため、学生に2日間の実験室体験として、研究グループと共に過ごしながら実際の研究活動へ参加して頂きました。ここでは理論・計算グループとレーザー実験グループに分かれ、様々の装置を使った実験を日本人学生と共に体験してもらいました。
研究室体験
その結果、日本人・フィリピン人の研究者・学生間でより交流を深めるとともに、研究への強い興味を持ってもらうことができました。そして、大阪大学での高度な学習の機会や、大阪大学のフィリピン人学生や研究者の実体験に焦点を当てたキャリアガイダンスを受けて頂きました。キャリアガイダンスは、将来大学院生として日本に帰って来て貰う事を期待する為のものです。
プログラムの最終日にはフェアウェルパーティを開催し、名残惜しさもある中、プログラムの思い出を語りあいました。パーティの最後にはプログラム修了の証明書の授与が行われ、引き続いての交流を続けることを約束しました。
最後に、招待された学生は、大阪大学博物館、インスタントラーメン発明記念館や、その他日本の学生と一緒に選んだ観光スポットを訪ねました。
この活動により、学生は日本人と社会的に交流することもできました。今回の活動を通じ、フィリピンと日本の若者の間で、物理学とレーザー工学を学ぶ学術協力、相互の関心と理解、そして友情がもたらされたと考えています。
カザフスタンは、「カザフスタン2030」という発展戦略に基づく産業イノベーションを推進しており、日本の最先端科学技術に強い関心を持っています。