2017年度活動レポート(一般公募コース)第69号
韓国・ASEAN諸国の大学とバイオマス有効利用をテーマに学術交流
熊本大学大学院自然科学研究科物質生命化学専攻からの報告
6月25日(日)~7月4日(月)の期間、韓国のソウル大学、タイのチュラロンコン大学、モンクット王トンブリー工科大学、フィリピンのフィリピン大学、デラサール大学、アテネオデマニラ大学、ベトナムのホーチミン市校工科大学、マレーシアのペトロナス工科大学、インドネシアのスラバヤ工科大学、から合計10名(教員3名、研究者2名、学生5名)をお迎えして、本プログラムを実施しました。
本プログラムでは、熊本大学内の施設見学や研究室訪問、教員による先端科学講義を行った他、学外活動として、福岡県北九州市で開かれた化学関連支部合同九州大会の見学や、県内外の民間企業や工場、公的研究機関への訪問、さらに日本および熊本の歴史、自然、文化を学ぶ体験などをしていただきました。以下に熊本大学大学院自然科学研究科物質生命化学専攻における国際交流活動の様子をご紹介します。
<熊本大学内の活動>
熊本大学の紹介や研究室訪問、さらに先端科学講義として、本学の高藤誠准教授、佐々木満准教授、Quitain Armando助教に超分子や化学工学に関する先端研究について講義を行っていただきました。
熊本大学の歴史や魅力を紹介したプレゼンテーションや、各講師による興味深い講義に対して、時折メモを取りながら真剣なまなざしで聴講しており、非常に有意義な時間を過ごせました。さらに参加者からは「ぜひ熊本大学で学んでみたい」という嬉しい声も聴くことが出来ました。
<学外研修>
九州大学訪問と北九州市で行われた化学関連支部合同九州大会を見学し、参加した日本の大学院生、学部生と質疑応答を通した交流や、各大学における先端分野の研究や技術を知る機会となりました。また様々な大学の教授による講演会も同時に開かれ、参加者とは異なる分野の内容にも興味深く聴講していました。
熊本県内の公的研究機関の見学も行いました。熊本県産業技術センターを訪問し、最先端の技術や分析機器の説明をしていただきながら見学を行ったほか、熊本地域で薦められている、JSTの地域イノベーションプログラムについても説明を受けました。
熊本県内の製造メーカー1社と化学メーカー1社、飲料メーカー1社、また県外の食品メーカー1社を訪問しました。手作業で行うガラス器具を作るプロセスを間近で見たり、食品加工残渣の有効利用法や飲料の製造ライン、工場レベルでの大型の蒸留装置を見たりすることで、日本企業の最先端技術について多くのことを学んでいただけたようです。
<日本の歴史・自然・文化に触れる>
熊本市内の熊本城や水前寺成趣園に出向きました。熊本市内の様子や昨年4月に起こった熊本地震からの復興途中である熊本城の現状を見てもらうことにより、熊本の魅力や復興から立ち上がる熊本の人々の強い意志、我慢強さをアピールできたと強く感じています。
化学関連支部合同九州大会からの帰りに、福岡県太宰府市の太宰府天満宮、熊本県阿蘇市の黒川温泉郷や鍋ケ滝にて、日本特有の宗教観や文化、豊かな自然などを実際に経験してもらうための視察も行いました。
短時間で広範囲にわたり移動したため、非常にハードなスケジュールだったにも関わらず、参加者同士の会話と笑顔が絶えず、存分に楽しみながら日本の文化を学んでいる様子でした。同行していた日本人学生も、英語および日本の文化を再度学ぶ機会となり、非常に良い体験となったと思います。
最後に、本プログラムを実施するにあたり、ご協力いただきました本学の教員、事務職員の皆様ならびにプログラム成功に最も貢献していただいた本学の学生に感謝いたします。また、多大なご支援をいただきましたさくらサイエンスプログラムに深く感謝いたします。