2017年度 活動レポート 第57号:科学技術国際交流センター

2017年度活動レポート(一般公募コース)第57号

科学技術イノベーションを促進する人材育成と産学連携の推進

科学技術国際交流センターからの報告

(公社)科学技術国際交流センター(JISTEC)は、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、2017年8月29日~9月2日にわたり、中国科学技術庁・大学の産学連携担当者15名を招へいし、日本の大学や研究施設、産学官マッチングイベントの視察など「科学技術イノベーションを促進する人材育成と産学連携の推進」をテーマに研修を行いました。

<8月30日>

筑波大学国際産学連携本部を訪問。技術移転マネージャ 和氣先生より、産学連携を推進する学内設置の開発研究センター16拠点の紹介、また、大学発ベンチャーの育成・支援制度、行政・地域との共同研究の取り組みについて事例を挙げてご紹介いただきました。質疑応答では、大学と教授が共有する知的財産権についての規定や海外への技術移転成功事例など、日中の制度を比較しながら、今後の連携に向けての意見交換の場となりました。

写真1
筑波大学での意見交換会の様子

<8月31日>

大学等の最新研究開発成果を一堂に会す国内最大規模の産学マッチングイベント「イノベーションジャパン2017」を視察。現在中国が直面している環境・高齢化社会に関する展示や、災害用ロボット、3Dプリンター、細胞再生、AIは特に関心が高く、各ブースをまわり開発者の説明を熱心に聞く姿がみられました。また、来年は所属する大学の研究成果を出展し、日本の提携企業を探したいという参加者もいらっしゃいました。

写真2
「イノベーションジャパン2017」視察の様子

<9月1日>

午前、東京工業大学を訪問。研究・産学連携本部 大井先生と北京大学科学技術開発部 姚先生の日中双方による産学連携状況についてのプレゼンを行いました。東工大が進めている世界トップレベル大学と企業を交えた3者による共同研究モデルについて関心をもたれ、投資規模や期間、研究者交流の頻度などの具体的な質疑がなされました。

写真2
東京工業大学での集合写真

その後、物質理工学院 史先生、朱先生との懇談会を実施、大学教授の人事評価や給与体制、留学生の就職状況、さくらサイエンスプログラムを通じた今後の交流の可能性など忌憚ない交流が行われました。

午後、千葉工業大学スカイツリータウンキャンパスでは、大谷先生にご案内いただき、ロボット・宇宙分野の最先端技術展示を見学。「ユニークで自由な発想から開発された実機のデモンストレーションに、千葉工大の自由な研究環境が感じられた」、「一般に科学技術への理解を伝える本キャンパスの情報発信基地としての役割に、普及啓発活動の重要性を学んだ」との感想も多く聞かれました。

写真4
千葉工業大学スカイツリータウンキャンパス見学

本プログラムを通じて、参加者は日本の科学技術力の高さだけではなく、日本人の仕事に対する勤勉で責任感ある姿勢に感銘を受け、今後の日中双方の人材交流と共同研究への意欲を強くもっていただいたようで、さらなる友好関係が発展することを期待しています。

最後に、今回の交流活動をご支援いただきましたさくらサイエンスプログラム、ならびにご協力いただいた関係者の皆様には心より御礼申し上げます。