2017年度 活動レポート 第56号:千葉大学大学院工学研究院

2017年度活動レポート(一般公募コース)第56号

電子科技大学学生が千葉大学で高周波・MEMSに関する研修を実施

千葉大学大学院工学研究院教授 橋本研也さんからの報告

2017年8月20日(日)~26日(土)の7日間、中国成都にある電子科技大学(UESTC)から学部生9名と大学院生1名 (計10名)が来日し、千葉大学と東北大学において高周波並びにMEMS(微小電子機械システム)技術に関する研修を実施しました。

UESTCは電気電子工学を核とした非常に高名な大学です。さくらサイエンスプログラム(SSP)は初年度(2014年)から継続して実施しております、UESTC側に優秀な学生の選抜をお願いしており、ご協力頂いている先生方からプログラムの内容・学生の質共に高い評価を受けております。このため、今年度もこれまでとほぼ同様の内容で実施しました。

<8月20日>

午後に成田に到着し、筆者研究室所属のドクター学生(SSP OB)が出迎えました。

<8月21日>

朝は筆者によるガイダンスの後、近くの寿司屋で歓迎会を実施し、千葉大学側メンバーとの親交を深めました。午後には、Josaphat Tetuko Sri Sumantyo教授による小型衛星や無人飛行機用合成開口レーダーに関する講演、並びに研究室見学をお願いしました。

写真1
建物最上階の衛星追尾用アンテナ前での記念撮影(前列中央がJosaphat教授)

<8月22日>

朝に日本科学未来館を訪問し、日本の最先端科学技術を見学しました。その後、仙台に向かいました。

<8月23日>

まず東北大学資料館を訪問しました。文豪 魯迅は同大学の前進である仙台医学専門学校に留学しており、資料館にはその時の資料が展示されています。

写真2
魯迅像前での記念撮影 (中央が田中秀治教授)

次に、田中秀治教授の研究室に移動しました。同教授はMEMSに関する世界的権威で、研究室には最先端の研究環境が整備されています。まず、田中教授によるMEMSに関するセミナーを聴講した後、彼の広大な研究室を見学しました。また、お昼には田中教授が懇親会を開催して下さり、研究室の教員・学生の方々との親交を深めました。

午後には、戸津健太郎准教授の御厚意により、東北大学試作コインランドリーを見学しました。これはMEMS開発用の共用設備を企業等に開放し、実用化を支援するものです。参加者は世界最先端のMEMS研究・開発環境を垣間見ることができ、刺激を受けたようでした。

写真3
田中研究室での研修の様子(一番奥が田中教授)
写真4
試作コインランドリーでの研修の様子(パンフレットをお持ちなのが戸津健太郎准教授

<8月24日>

東北大学 末松憲治教授の研究室を訪問しました。こちらでは、世界最先端の移動体通信技術を開発しています。末松憲治教授に特別講義をお願いし、引き続き研究室を紹介して頂きました。その日の午後に仙台を発ち、千葉に戻りました。

写真5
東北大学電気通信研究所での集合写真(中央が末松憲治教授)

<8月25日>

まず劉浩教授の生物模倣による飛翔技術に関する講義を聴講した後、研究室の羽ばたき飛行や空洞実験等を見学しました。

写真6
劉浩教授による講演の様子 (スクリーン横が劉浩教授)

午後は筆者による高周波電子工学に関するセミナーと研究室見学を実施した後、修了式を実施しました。そして、最終日26日午後の飛行機で無事成都へ帰国しました。

写真7
修了式を終えて(左から2番めが筆者)

Josaphat教授、劉教授共に日本に留学して学位を取り、顕著な業績を遂げ、千葉大学で研究室を主宰されています。東北大学の諸先生方は勿論、彼らの様な卓越した先達との交流は、SSP参加者に大きな刺激となったことは間違いありません。

将来大学院学生やポスドクとして再来日に対する憧れを誘発するという本プログラムの目的は、今年度も十分に達成できたと自負しています。