2017年度活動レポート(一般公募コース)第43号
日・タイの友好を深め未来を拓く科学技術を学ぶ
立命館高等学校からの報告
タイのトップ科学高校Mahidol Wittayanusorn School(MWITS)から、高校生を7月26日~8月1日の期間で招致しました。同校は、バンコク郊外にある王立の科学高校で、立命館高校とは長年の交流を持つ学校です。
複数年度計画の招致で、今回は3年間計画の2年目にあたります。これまでの友好関係の上に、さらに強い連携を図り、両校生徒による共同研究を進めることを期待してのプログラムです。
7月26日、9名の高校生と2名の引率教員が関西空港へ到着。1週間の研修の前半4日間を京都、滋賀で、後半3日間を東京での研修としました。
初日は、6名の立命館高校生と対面し、立命館大学びわこ・くさつキャンパス内の施設に宿泊し、友好を深めながらの研修スタートとなりました。
2日目は、立命館大学情報理工学部のエリック・クーパー先生から、午前、午後とも1コマずつの講義を受けました。クーパー先生のご専門である「色」に関わる研究のお話を聞くとともに、どのように研究テーマを考えるのかのワークショップを行っていただきました。
情報理工学部の施設を見学した後、同学部グローバルコースで学ぶ2名のタイの学生さんを囲んで、懇談を行いました。
3日目は、バスでエクスカーション。午前中はOMRON京阪奈イノベーションセンターを訪れ、素晴らしい研究所内の見学では、卓球ロボットとラリーを経験させていただいたり、自動運転技術の研究紹介をしていただいたりしました。また、研究者の方から、OMRONで研究されている意義についてのお話を聴かせていただき、たいへん有意義な時間となりました。
午後には、京都府立大学附属農場を訪れ、増村威宏教授のお世話で興味深いプログラムを組んでいただきました。板井章浩教授から果物についての講義を聴かせていただき、その後、果樹園で実際の果物を見ながら説明を聴きました。完熟した果物の試食には生徒達も大喜びでした。
次に、隣接する京都府農林水産技術センターにて、三村裕部長から京野菜に関する講義を受け、水田や畑を見て回りました。今後、MWITSとは稲に関わる共同研究を始めようと検討しており、いい勉強の機会となりました。
4日目は立命館高校にて学校内を見学した後、京都市内へ移動し、金閣寺拝観等、京文化を味わってもらいました。
5日目は、5名の本校生徒とともに新幹線で東京へ移動。到着後は、日本科学未来館にて見学研修を行いました。
6日目は東京工業大学を訪れ、生命理工学院の山口雄輝教授からサリドマイド等の薬害に関する講義を、二階堂雅人准教授からシーラカンス等を題材に進化に関する講義をいただきました。生徒達からも多くの質問が出され、有意義な学習となりました。講義の後、二階堂研究室を見学させていただきました。
その後、同大学で学ぶ、MWITS卒業生13名が集まってくれ、交流の場を持ちました。生徒達は、日本の生活環境や、日本での学習、研究について、興味深く話しを聴いていました。
最終日は、午前中に国立科学博物館を訪れ、午後、多くの経験と友情を胸に、成田空港から帰国しました。両校の友好はより深まり、この後もさらに発展していくと確信しています。