2017年度活動レポート(一般公募コース)第39号
超高齢社会に求められる先端歯科医学研究
Advanced dental and orofacial research required in a super aged society
新潟大学からの報告
2017年8月21日から8月30日まで、台湾陽明大学より4名、タイタマサート大学より6名の若手臨床家と研究家を招へいし、臨床見学、セミナー受講、実験見学を実施しました。
本プログラムは、2017年に2月に行ったものを踏襲し、両校とのさらなる学術交流の中で、これからの歯科医療、歯科医学研究について、現在新潟大学で行われている様々な研究を見学・体験する機会をもってもらうためのプログラムとして、実施されました。
<8月22日> 摂食嚥下障害がテーマでした。午前中は摂食嚥下リハビリテーションに関する臨床内容についての講義、午後は嚥下造影検査と嚥下内視鏡検査を体験してもらいました。午後5時からは、タイチームとともに新潟市内の高齢者施設を訪問して、入所者の口腔ケアや食事介助などの場面を見学してもらいました。
<8月23日> ヒト実験をテーマに、午前中は筋電図記録に関する導入説明を行った後、経頭蓋磁気刺激装置を用いて、大脳皮質誘発性の運動誘発電位の評価体験を実施しました。午後は食物の咀嚼嚥下時における生体機能検査の、相互実習体験を行いました。
<8月24日> 咀嚼を知る講義と実習がテーマでした。午前中は歯科補綴における機能の重要性についての講義、午後は咀嚼能率測定の体験実習を行いました。
<8月25日> 再生医療がテーマとして、午前中は培養口腔粘膜作成方法と移植法の講義を実施し、午後は細胞培養室に移り、前日複数の患者さんから採取された組織を用いて、各大学の代表者1名により実地で細胞培養を体験してもらいました。
<8月26日> 新幹線で東京に出向き、みらい科学館の見学を行いました。
<8月28日> 午前は動物実験における嚥下誘発、および同定方法の説明や末梢への機械・化学・電気刺激による嚥下誘発実験と病棟への往診見学、午後は脳幹への薬物微量注入による嚥下誘発実験、空いた時間を利用して外来でのVF検査(嚥下造影検査)の見学を行いました。
<8月29日> 午前に口腔衛生管理の必要性に関する講義、実際に参加者の口腔内細菌数を測定するハンズオン、午後からはドライマウスの講義とドライマウスの治療に用いられる、漢方および保湿剤の試用や唾液腺マッサージの手技についての体験を行いました。午後5時からは台湾チームとともに新潟市内の高齢者施設を訪問して、入所者の口腔ケアや食事介助などの場面を見学してもらいました。
<8月30日> 午前11時から閉会式を行いました。参加者から一言ずつのコメントをもらい、全員で記念写真を撮って解散となりました。
タイトなスケジュールの中、参加者は大いに新たな臨床、研究分野の体験を楽しみ、また一生懸命に参加してくれたことで忙しくも充実した日々を過ごすことができました。
本プログラムをきっかけとして、新たな交流や共同研究が始まりそうな予感を感じながら彼らを見送りました。最後に、本プログラム実施の機会を与えた頂いたさくらサイエンスプログラム、そして本プログラムの実施を支えて頂いた本学のスタッフの皆さんには深く感謝申し上げます。