2017年度活動レポート(一般公募コース)第31号
教育と研究の交流体制確立を目指して
東京都市大学からの報告
東京都市大学では、平成29年7月30日~8月8日(10日間)、マレーシア工科大学マレーシア日本国際工科院(MJIIT)から10名の大学生と1名の引率教員を招いて、さくらサイエンスプログラムを実施しました(実施主担当者:田口知識工学部長)。
MJIITとは、これまで3年連続してさくらサイエンスプログラムを実施してきていて、本年が4年目の実施となります。本年は「複数年度型」の申請を行い採択され、複数年実施の1年目となります。
「複数年型」で申請した大きな理由は、このさくらサイエンスプログラムを利用して、MJIITと東京都市大学間での本格的な複数の共同研究グループ構築を図ることにあります。そのような背景から、引率教員は本学のスタッフとの間で共同研究を模索できる方を選出してもらいました。
MJIITの学部教育分野を考慮し、本学側では工学部の機械工学科、機械システム工学科、エネルギー化学科、電気電子工学科と知識工学部の情報科学科、2学部5学科の協力を得て実施しました。招へい学生には、予め5学科の研究室の研究内容を紹介し、興味のある研究室を選択してもらいました。
このプログラムの特徴は、招へい学生に本学の研究室でPBL(課題解決型学習)を、本学の学生(大学院生、学部4年生)の支援のもと実施する方式にあります。
日本の研究室の良いところは、欧米の研究室とは異なり、先輩が後輩を指導し、研究室内の連帯感が強いアットホームな雰囲気の中で研究を進めるところにあります。その日本独特の研究室の良さを体験してもらうことも、本プログラムの大きな目的としました。
招へい学生の希望から、機械工学科の小林准教授、機械システム工学科の永野講師、エネルギー化学科の武教授、高津准教授、江場准教授、電気電子工学科の澤野教授、鳥居准教授、鈴木准教授、情報科学科の横山教授、中野准教授が本プログラムに参画し、招へい学生の指導にあたりました。
本プログラムは、招へい学生に日本の科学レベルの高さを体験してもらうことを第一義としましたが、それに付随して、以下のとおり多くの利点がありました。
①招へい学生を指導する本学学生の国際化 このプログラムを通じて、本学学生に国際感覚が養成され、コミュニケーションツールとしての英語の重要さ確認してもらうことができました。
②日本への理解促進 招へい学生は単に科学のみならず、日本の文化や歴史にも触れることで日本という国に対し理解を深め、強い印象を残すことになりました。殆どの招へい学生が、プログラム期間中、本学の学生のガイドで明治神宮、浅草寺、新宿御苑等の歴史的名所と渋谷、原宿、秋葉原等の現代的なスポットを訪れています。
このプログラムが包括的な意味で意義深いプログラムであることが理解できます。
本プログラムの共同研究グループ構築に関する成果としては、引率教員のDr. Mohd Ibrahim Shapiaiが所属しているCAIRO(Centre for Artificial Intelligence & Robotics)研究室と、本学の知識工学部情報科学科応用数理研究室の田口教授との間で共同研究がスタートする運びとなりそうです。将来的には本プログラムに参加した招へい学生も、共同研究グループの一員として参加して欲しいと考えています。
本プログラムの最終行事として、招へい学生ひとりひとりに成果を発表して頂く、成果発表会を設けました。その発表会を通じて、本年も全ての招へい学生が十分な成果を得たことを確認しました。
成果発表会後には修了式が行われ、学長の三木千壽先生から各学生に修了証が授与され、充実したプログラムが終了しました。