2017年度活動レポート(一般公募コース)第25号
ナノテクノロジーを駆使したバイオ材料科学の国際共同研究
東京理科大学からの報告
2017年8月1日~8月10日までの10日間、さくらサイエンスプログラムの支援により、 フィリピン・ミンダナオ州立大学イリガン校から4名、中国・セッコウ大学から3名、ベトナム・ハノイ工科大学から3名、の大学院生、学部学生、および引率教員が東京理科大学神楽坂キャンパスに滞在し、共同研究を中心とした活動を行いました。
本招へいは3年計画の2年目にあたります。中国に関しては、単年度も含めこれで4年目となります。来日する学生はフレッシュな顔ぶれながらも、教員間のやり取りは継続していることから、来日準備はスムーズにでき、また共同実験についても、あらかじめ十分な打ち合わせをすることができました。
また、本学には本事業と関連づけた双方交流事業があり、昨年度の本事業による招へい後に、本学の学生がベトナムのハノイ工科大学を訪問しました。日本側の学生も、送り出し機関の普段の様子を理解することで、相乗効果を得られていると思われます。
今回の来日では、ベトナムで設計している色素に関する実験、また細胞運動の観察実験などを研究室内で行いました。また、恒例となっている、海岸での微生物採集も体験しました。さらに、日本科学未来館の見学、あるいは本学OBや現役学生が経営するベンチャー企業訪問、本学オープンキャンパスへの参加など、年ごとに少しずつ企画を追加してきたことで、盛りだくさんな内容となりました。
色素とカーボンナノチューブに関するスペクトル測定の実験では予想外の結果が得られ、これに驚いたベトナムの学生が、次の予定があるにもかかわらず実験を延長して行うなど、体験学習を超えた共同実験になりつつあることが実感できました。
また、本学OBが起業した会社の見学では、昨年と同じ3Dバーチャルシステムの開発企業に加え、データベース開発の企業も訪問先に加えました。3Dバーチャルシステムの会社は、半数以上の社員が外国人であることから、招へい者は大いに興味を持っていました。
このほか、留学説明会や、交流会も開催しました。留学説明会では、各種募集の紹介にとどまらず、競争倍率などについても独自の分析結果を伝えました。また、大学への留学や博士研究員の募集にとどまらず、外国人向けの企業インターンについても紹介しました。
交流会では、昨年と同じ「もんじゃ焼き」に加え、少しお金をかけて「しゃぶしゃぶ」も行いました。これらの選択も、日本食を食べてみたいが生魚は抵抗があるということで、加熱した料理の中から日本らしいものを選ぶ、という練り上げがありました。
送り出し機関の教員たちも、さくらサイエンスの趣旨をよく理解してきており、昨年よりもさらに、日本留学に興味のある学生たちが選抜されてきていると感じられました。複数年度計画での、継続的な実施の意義は大きいと感じられます。
このような交流のきっかけを作って頂いたさくらサイエンスプログラムに深く感謝いたします。