2017年度 活動レポート 第22号:広島大学

2017年度活動レポート(一般公募コース)第22号

先端光化学をテーマにしたサマースクール

広島大学からの報告

平成29年8月7日〜8月14日、広島大学大学院理学研究科化学専攻では、ベトナムの自然科学大学ハノイ校、ホーチミン校、台湾国立中正大学、並びに台湾国立中央大学の教員2名と学生8名を迎え、英語による先端光化学コース(Summer School Program for Advanced Photochemistry)を実施しました。

今回のベトナム国家大学ホーチミン市校自然科学大学・ハノイ校自然科学大学、台湾国立中正大学、並びに台湾国立中央大学と広島大学理学研究科との科学技術交流では、将来の地球環境を支える「先端光化学」をテーマに、広島大学大学院理学研究科化学専攻で実施している先端光化学(光物理化学、光反応化学、有機光化学) を、ベトナムと台湾の将来を担う若手化学者に教授し、持続的に発展する国際社会の構築に貢献することを目的としました。

<8月7日> ハノイ、ホーチミンからの一行がソウル経由で広島に来日しました。台湾からの一行は、台風5号の影響で、8月8日の早朝に台北から、広島に到着し、台湾組が広島大学に到着次第、オリエンテーションを開始しました。

写真1
Welcomeパーティーにて

<8月8日> まず、光とは?からはじめ、物質が光エネルギーを吸収する機構について解説しました。その後、レポートを提出させました。

写真2
講義風景

<8月9日> 光エネルギーを吸収した物質のエネルギーを測定する方法について解説し、光合成、太陽電池の機構について説明しました。その後、レポートを提出させました。

<8月10日> 広島平和記念公園を訪問し、その後、平和記念資料館、こども文化科学館、宮島を訪問し、日本の科学技術と文化に触れる機会を設けました。

写真3
広島平和記念公園への社会見学

<8月11日> 光エネルギーを吸収した高エネルギー状態の物質から現れる機能について解説し、エネルギー問題、環境問題の解決につながる議論を行いました。

<8月12日> 手にとることが出来ない、電子的励起状態分子の存在を確認する分光学的手法を用いて、電子的励起状態分子のエネルギーと寿命を、実際に、吸収スペクトル、発光スペクトル、蛍光寿命スペクトル、過渡吸収スペクトルを用いて測定し、座学だけでは得ることが出来ない深い理解を促しました。

写真4
電子的励起状態を観測する発光スペクトルの測定風景

<8月13日> 発表会と修了式、ならびに、記念パーティーを実施しました。和やかなムードで学生交流が行われました。

<8月14日> 参加した学生は無事ベトナムと台湾に帰国しました。

最終日に実施した修了者のアンケートから判断しますと、世界トップレベルの先端化学に触れることができて、とても感動していました。

有意義な時間が過ごせたと思います。

写真5
サマースクール参加者の全体写真