2017年度活動レポート(一般公募コース)第14号
次代を担う科学技術系人材の育成のための日中交流
科学技術国際交流センターからの報告
(公社)科学技術国際交流センター(JISTEC)は、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、2017年7月10日~7月14日の日程で、「科学技術イノベーションを促進する高校教育のあり方と人材育成」をテーマに、中国の高校教員16名を招へいしました。日本の高校・大学・研究施設などを視察していただき、科学技術教育の現場に触れていただきました。
7月12日
国立東京学芸大学附属高等学校では、宮城副校長よりSSH校としての国際交流の取組みについて事例をご紹介いただきました。3年生対象特別授業(生物・物理・化学)の参観し、教員同士の意見交換を実施しました。日中の教科書やカリキュラムを比較したり、日中の国語担当教員で漢詩を中国語と日本語で吟唱しあったり、また、中国の帰国子女の生徒から日中の教育指導の相違点を伺うなど、活発な交流となりました。
7月13日
私立西武学園文理高等学校を訪問しました。猪狩校長よりグローバルな視野を育てる教育理念についてご紹介いただいた後、理数特別授業(ロボット製作・情報処理)の参観と意見交換会を行いました。進路指導や保護者への対応、教員の人事評価基準・昇格システムなど具体的で率直な意見が出るなど、同じ教育現場に携わる教員ならではの意見交換の場となりました。
7月14日
東京都市大学では、三木学長より時差の少ないアジアでの国際連携、研究・教育の交流の重要性についてご挨拶いただきました。外国人入試・留学受入制度についてのガイダンスや、集積化システム工学研究室見学など、キャンパスのご案内をいただきました。日本語学科担当の高校教員からは、今後東京都市大学への留学進路も視野に入れたいとの発言もありました。
宇宙航空研究開発機構筑波宇宙センター、産業技術総合研究所、地質標本館と日本の最先端科学技術研究施設なども見学しました。これらは、科学技術への知識や興味を広げるために課外授業として学生が見学に訪れる施設であり、中国からの教員からは「自分の学校でもこのような啓発活動を進めていきたい」などの感想が出ていました。
参加者からは、「日本の教育は生徒の自主性を重んじ、学業だけでなく部活道や文化祭など課外活動も重視する教育に刺激を受けた」「基礎教育レベルは中国のほうが高いが、イノベーション創出能力や実践能力は日本のレベルが高い」「帰国後も今回訪問した学校や機関との連絡を繋げていきたい」「日本人は勤勉で礼儀正しい」「国は違えど教育者としての志は相通じるものがある」などという積極的な感想を聞くことができました。
5日間という短い滞在でしたが、様々な交流活動を通じ日本への理解を深めていただけたようです。
最後に、今回の交流活動をご支援いただきましたさくらサイエンスプログラム、ならびにご協力いただいた関係者の皆様には心より御礼申し上げます。