2017年度 活動レポート 第13号:愛媛大学社会共創学部

2017年度活動レポート(一般公募コース)第13号

国際地域協働による持続可能な開発のための人材育成

愛媛大学社会共創学部からの報告

愛媛大学社会共創学部では、インドネシア共和国・ゴロンタロ州の国立ゴロンタロ大学の大学生9名、教員1名の計10名を、2017年7月17日~7月26日の日程で招へいし、交流プログラムを実施しました。9名の学生の内訳は、5名が理学部、3名が公衆衛生・スポーツ学部そして1名が法学部に所属している学生です。

本学の社会共創学部では、地域社会の問題を解決し、持続可能な地域社会を構築するためのトランスディシプリナリー人材を育成するため、地域のステークホルダーと協働で、様々な取り組みを展開しています。

特に、観光立国を目指す日本においては、世界ジオパークへ向けての取り組みとそのための人材育成は極めて重要で、本交流では、愛媛県で日本ジオパークに認定されている「四国西予ジオパーク」を訪問すると同時に、それらの観光地で実用化されている多様な科学技術イノベーションを見出し、それらの環境保全、持続可能な開発等における役割を学び、その重要性を理解することをプログラムに盛り込みました。

本プログラムの目的は、「国際地域協働による持続可能な開発のため人材育成」であり、学生は3つのグループに分かれて、インドネシアにおける持続可能な社会共創に関連して、①環境倫理、②ごみ問題、③ジオパーク、のサブテーマに関して、文献およびフィールド調査を行いました。

1日目はオリエンテーションを行い、2日目は、特別講義を2つ受講しました。社会共創学部の渡邉敬逸准教授より、ジオパークの概要(ユネスコ正式プログラムにおける位置づけ、目的、要素、運営体制など)の説明と、日本および世界のジオパークの事例紹介を通じて、その具体的なあり方を解説して頂きました。

写真2
特別講義の様子1
写真3
特別講義の様子2

またジオパークの要素で重要なジオストーリーを詳細に解説し、学生たちの地元であるゴロンタロ州を事例に、簡単なジオストーリーを組立てるワークショップを行いました。また、榊原正幸教授より、「持続可能な発展」について学び、ゴロンタロ大学で取り組むべき課題について、ディスカッションを行いました。

3日目から2泊3日で西予市へ出かけ、四国西予ジオパークの様々なサイトを視察しました。古い町並みの保存や、渓谷やカルストにおける地質学的、植物学的、歴史学的な要素がジオサイトにいかに活かされているか学びました。屋形船に乗り、観光とジオサイトの密接な関係も体験しました。また、特別に西予市のごみ処理施設や、衛星センターも訪問し、日本における衛生環境についても学習する機会を得ました。

写真1
西予市桂川渓谷にてジオガイドから説明を受ける
写真4
屋形船に乗り、須崎観音、須崎海岸、ビリ島の説明を受ける

写真5
開明学校で明治の授業体験
写真6
西予市長表敬訪問
写真7
西予市のごみ分別について学ぶ

6、7日目は、松山市内の視察をとおして、科学技術の活用を学びました。

8日目は、滞在中に体験し学んだこととインドネシアの実情を比較し、得たものを成果として発表するための準備をし、榊原教授と活発な議論を繰り返しました。

最終日の成果発表会では、各グループが①環境倫理、②ごみ問題、③ジオパークのテーマで発表しました。

写真8
成果発表会グループ別発表
写真9
成果発表会・修了式での集合写真

送別会には、昨年ゴロンタロ大学でのフィールド実習に参加した愛媛大学の学生、また今年のフィールド実習に参加する学生が顔を合わせ、友好を深めました。

写真10
送別会での集合写真

本プログラムにより、相互に交流できるきっかけが与えられ、学生達にとっては大変な励みと力となりました。この様子はインドネシアの地元新聞にも報道される予定です。