2017年度活動レポート(一般公募コース)第9号
室蘭工業大学で光学の先端技術を学ぶ
室蘭工業大学からの報告
室蘭工業大学は、2016年度に新規にインド・カルカッタ大学と国際学術交流協定を締結しましたが、そのスタートアップとして、今回さくらサイエンスプログラムにより2017年5月28日から6月3日までの日程で大学院生6名と学部生4名、ならびに引率教員1名の計11名による研修プログラムを実施しました。
初日に室蘭に到着し、2日目には早速、生体光応用計測に関する講義「Optical sensing and imaging techniques for biomedical application」が実施されました。その後、地域向け体験施設ロボットアリーナと光計測研究室の見学会では、ロボット用光センサー、ドローン、ならびに、生体分光イメージング、ロボットアーム型医療機器、デジタルホログラフィ等が紹介され、質疑応答が行われました。
3日目には「Introduction to astronomical optics; Optical technology for direct detection of exoplanets」と題して、太陽系外惑星の直接検出を中心とした、天文光学入門に関する講義が行われました。演習問題を瞬時に解答する学生の質の高さを実感できました。午後は、(株)日本製鋼所室蘭製作所でものづくりの現場を見学しました。
4日目には、先端フォトニクスに関する「Design and analysis of photonic circuit devices and optical fibers」の講義が行われ、その後、波動エレクトロニクス研究室にて、独自開発の光シミュレータを使った光デバイスの解析設計実習を体験しました。また、計算機に新デバイス構造を創出させるトポロジー自動最適設計の事例も紹介されました。
5日目には、表面プラズモンに関する「High resolution optical microscopy of refractive index distribution」と題する講義が行われました。その後、実際に光学系に触れながら、表面プラズモンを励起する基板の反射率対入射角の測定や、空間位相変調器を用いた光波制御などを体験する機会が設けられ、活発な質疑が行われました。
6日目は、札幌市にある北海道総合研究機構・産業技術研究本部・工業試験場をまず訪問し、工業試験場の概要や、分光技術の産業応用を扱う関連研究室の見学が行われました。午後は、NTTインフラネットを訪れ、全長40kmにわたる光ファイバーと銅線ケーブル専用の地下トンネルを見学しました。研修生たちは非常に興奮した様子でした。
最終日の7日目は、新千歳空港から成田経由で帰国の途につきました。
研修中の2日目夕方には、関係教職員、学生、留学生が参加して、交流会が開催されました。本学からは励ましの言葉や歓迎のスピーチがあり、それに応えて研修生からはインドの歌と踊りが披露される等、和やかな会となりました。
見学の合間には、学生間で日本の伝統的な遊びや文化を楽しみ、将来の計画について真摯に語り合う等の交流を深めました。
帰国後の研修生アンケートでは、プログラムに大変満足し再度来日したいとの回答がありました。