2017年度活動レポート(一般公募コース)第6号
日本の先端医療を支える院内感染対策/医療機器の取扱いについて学ぶ
名古屋大学医学部附属病院准教授 廣岡芳樹さんからの報告
昨年度に引き続きさくらサイエンスプログラムに採択を頂き、2017年6月14日より6月21日まで名古屋大学医学部附属病院において、「日本の先端医療を支える院内感染対策および医療機器の取り扱いについて学ぶ」をテーマに8日間の集中講義と研修を行いました。
今回は世界でもトップレベルにある日本の院内感染対策および医療機器の取り扱いについて、当院内視鏡センターでの集中実習、講義を通じて学ぶことを目的として、メコン領域のタイ(マヒドン大学シリラージ病院、タマサート病院)、ミャンマー(ヤンゴン総合病院)、ベトナム(バクマイ病院、ホーチミン医科薬科大学、フエ医科薬科大学)、カンボジア(カルメット病院)の4か国7施設より、各施設から選抜された合計13名の優秀な若手医師・看護師を招へいしました。
今回のプログラムでは、内視鏡、超音波装置など消化器領域における日本の最先端の医療機器の取り扱いについて学んでもらうとともに、感染対策においては手洗い、手指の消毒といった基本的な内容はもとより、病原性微生物・病態の種類に応じた感染経路別の予防策や、内視鏡の洗浄など実際の診療に則した技術指導を行い、若手研究者の新規技術・知識の取得意欲を向上させることに努めました。
6月17日には、招へい者全員参加で名古屋市科学館の見学を行いました。見学に際しては本学の大学院生も4名参加し、専属のガイドさんに案内をいただき、世界最大のプラネタリウムをはじめ様々なイベントに参加することができました。
18日は当院内にあるクリニカルシュミレーションセンターで内視鏡検査シュミレーターと超音波モデルを用いて、実際に招へい者の方々に機器を手に取ってもらい、検査、処置を体験してもらいました。
19日は当院看護部にも協力をお願いし、当院の看護システム、看護教育などについて講義、実習を行いました。講義では看護サイドからの医療機器の取り扱いおよび感染対策を中心に話をしてもらいました。またこの日はちょうど当院の新人看護師の研修を行っており、招へい者の方達にもマネキンを使った触診や聴診の研修に参加してもらいました。
20日の夜には、当院の医師、大学院生、看護師とともに名古屋の名物料理である手羽先料理店で懇親会を開き、交流を深めることができました。
短期間の研修でしたが、非常に充実した内容で日本の最先端の医療、感染症対策をアジアの方々に伝えることができました。招へい者の方々には是非このプログラムで得たものを自国に持ち帰り、実臨床に活かしていただければ喜ばしい限りです。
最後に、このような貴重な機会をいただき、さくらサイエンスプログラムならびに関係者の皆さまに深く感謝いたします。