2017年度活動レポート(一般公募コース)第4号
過酷環境に耐える材料開発とその評価手法
静岡大学からの報告
さくらサイエンスプログラムの支援を受け、中国科学院等離子体物理研究所および華中科技大学から教員および学生計11名を招へいし、6月17日から28日まで「過酷環境に耐える材料開発とその評価手法」をテーマに研修および研究交流を行いました。
研修内容は「日本における過酷環境に耐える材料開発の現状について理解するとともに、その評価手法について日本国内の特徴ある施設を訪問し学習する」ことでした。また、参加学生が持参した試料を用いて、実際に学習した化学状態評価や水素滞留量評価、透過量評価を行いました。
静岡大学の研修では、中性子照射により生成したトリチウム(三重水素)の挙動に関する講義、X線光電子分光法を用いた化学状態評価手法に関する講義と実習、放電を用いたカーボンナノチューブの作成実習を行いました。
どの講義・実習も受講生のみなさんが一生懸命学習し、新しい知見を体得しようとの意気込みが感じられました。講義や実習の後には質問が多く、有意義な研修となりました。
また、さくらサイエンスセミナーとして、それぞれの大学から最近の研究成果についての発表会も行い、違った視点でそれぞれの研究について議論が交わされました。
さらに、静岡市の歴史学習ツアーも行い、駿府城公園、静岡浅間神社、臨済寺を見学し、日本の歴史の一端を学習しました。
さらに、エネルギー分野で先進的な材料開発を行っている京都大学エネルギー理工学研究所を訪問し、ヘリオトロン装置、自由電子レーザー、複合ビーム材料照射(DuET)装置の見学と併せ、耐熱・耐放射線性を有する炭化ケイ素材料に関する特別講義、熱流動挙動評価に関する特別講義を行っていただき、理解を深めることができました。
施設見学では、日本の最先端プラズマ装置を直接見ることにより、核融合研究や耐過酷環境材料開発の現状の理解をさらに深めることができました。
日本は梅雨の時期でしたが、あまり雨の影響を受けず、すべてのプログラムを予定通り実施することができました。さらに、京都・奈良では二条城、金閣寺、清水寺と東大寺を訪問し、古都・京都や奈良の歴史についても学習しました。
講義や実習では単元ごとにレクチャーレポートを提出していただき、理解度の確認や疑問点について確認することができ、とても有意義な研修となりました。
ぜひ、みなさんの再来日を実施教員一同心からお待ちしています!