2016年度 活動レポート 第6号:東大生産研で最先端の産業技術を学ぶ

さくらサイエンス・ハイスクールプログラム 第6号

東大生産研で最先端の産業技術を学ぶ

さくらサイエンス・ハイスクールプログラム(第1グループA班)

4月15日、インド・カンボジア・ラオス・ベトナムからの高校生たち第1グループのA班は、東京大学駒場リサーチキャンパスの生産技術研究所(生産研)を訪れました。生産研は110を超える研究室からなり、約300名の教職員、約700名の大学院学生を含め、総勢1000名以上が教育研究活動に従事している国内最大規模の大学附置研究所です。

生産研の正面玄関で記念撮影

生徒たちはまず藤井輝夫所長から生産研についてのレクチャーを受けた後、小グループに分かれて3つの研究室を訪問しました。最初に訪れたのは大空間共通実験室で、大きく広い空間に研究・実験装置がずらり並んでいる様子はまるで大規模工場といった感じです。そのなかのひとつ、須田・中野研究室では、ドライビングシュミレータを利用したバーチャル実験の様子や新しい一人用の乗り物、パーソナルモビリティ・ビークル(PMV)の開発の様子を見学しました。

ドライビングシュミレータを利用したバーチャル実験の様子を見学

一人用の乗り物、パーソナルモビリティ・ビークル(PMV)の開発現場です。


続いて訪れたのは実世界・ソーシャルビッグデータ融合活用基盤研究施設です。ここでは大量の情報がSNS等で瞬時にアップロードされる現代、それらをどのようにしてリアルタイムで分析していくかを東北大震災当時のツイッター投稿を実際に見ながら検証しました。さらにロンドンオリンピックのメダリストたちが銀座でパレードを行った際(2012年8月20日)、東京メトロを利用する人の流れがどのように変化していったかという解析結果も紹介されました。

大量の情報をどう分析するかのレクチャーです。

東京の地図を前に、人々の流れを解析します。


高校生たちが最後に訪れたのは新野研究室が行っている「レーザ焼結に関する研究」現場です。これは3次元データをもとに材料の付着によって目的の形状を実体化するという最新技術で、障がい者用の義足や細かく複雑な形状のプロトタイプを従来よりも短い時間でつくれるという説明を、興味深く聞いていました。

「レーザ焼結に関する研究」についての説明を熱心に聞く高校生たち

ビデオを見ながら、生産研の研究テーマの広さとその数の多さを学びました。


このように幅広い最先端の産業技術の研究テーマを目の当たりにして、高校生たちは科学技術がこれからの世の中を変えていく大きな可能性を秘めていることを改めて実感したようでした。