2016年度活動レポート(一般公募コース)第414号
日本の家電業界におけるものづくり体制の学習
大阪府立大学工業高等専門学校からの報告
大阪府立大学工業高等専門学校では、平成29年3月1日から3月6日までの6日間、インドネシアのダルマプルサダ大学(UNSADA)から学部生9名と引率教員1名を受け入れ、「日本の家電業界におけるものづくり体制の学習」についての研修を行いました。
初日
午前に日本に到着した一行は、本校教員引率のもと、関西国際空港から寝屋川市に移動し、午後から本校でオリエンテーションならびに歓迎式典を行いました。 オリエンテーション後は歓迎式典を行い、校長、引率教員、ダルマプルサダ大学側学生代表、そして大阪府大高専学生代表の挨拶と続き、その後は茶菓を前に交流会を開催しました。交流会では、両校学生が学校、趣味、家族のことなど同じ学生の視点で話が弾み、楽しい交流会となりました。
交流会後は学校内見学を行い、地域連携テクノセンター内のエネルギー研究室他を見学しました。
2日目
日本の先端技術を知るという目的のため、午前中は滋賀県のパナソニックアプライアンス社の工場見学を行いました。企業の工場を初めて見学したという学生もおり、流れ作業で次々と冷蔵庫が製造される工程をもの珍しそうに、また真剣に見学していました。質問時間には、製品や製造技術に関する質問のほか、日本企業への就職について、待遇や技術取得についての質問も多く出ていました。
午後からは京都に移動し、オムロンコミュニケーションプラザで自動化技術の歴史を、展示品を通じて学びました。身近な自動発券装置や自動改札機の歴史、また自動改札機の実物を通じて、自動化の技術がどのように改良されてきたのかを学びました。
特に自動改札機では、電車やバスの切符が高速に吸い込まれ、瞬く間に裏表判別や行先など様々な情報が判別される様に、圧倒されていました。内部の機械部品や電子部品の仕組みを確認し、このような装置が1970年の大阪万博の時期に開発され、以後も改良を重ねて現在に至ることを理解し、日本の技術力に改めて思いをはせていました。
3日目
午前は、門真市にある太洋工作所を見学しました。太洋工作所は、国内外の自動車メーカーの主に高級車の内装に使用されるスイッチなどの、プラスティック部品のメッキを手掛けており、タイ王国やシンガポールなどでも現地生産を行っています。門真市工場においても、タイや他の東南アジア諸国の人々が働いており、日本企業で働く場合の心構えや必要なスキル他、質問が続き、次の見学地に約束時間までに到着できなくなるというハプニングが発生しました。
午後からはパナソニックAIS社に移動し、電気自動車用電池の製造ラインを見学しました。 製造ラインもさることながら、製造後の電池をチェックする品質管理の概念について、詳しく話していただけました。 モノづくりはものを作ることに加え、その製品の品質保証のための努力がなされていることを理解できました。 帰りは大阪の難波を通過しましたが、学生の希望により、途中下車して心斎橋や道頓堀など見学しました。短い時間でしたが、大阪の繁華街を味わうことが出来ました。
大阪府立大学高専に場所を移し、府大高専メカトロニクスコース教員とメカトロニクスコース学生の指導の下、自動化の考えを理解してもらうために、ライントレースのプログラミングを体験しました。プログラミング言語を使用せず、タイルプログラムを使用してアルゴリズムを学習しました。
4日目
午前にプログラムの基礎を学習し、午後からはベルトコンベアの制御やセンサーからの読込みを学習しました。
5日目
いよいよライントレースのプログラムに入りました。難しいコースであったため、途中で脱輪を繰り返しましたが、全員完走させることができました。
6日目
堺市の大阪府立大学の見学ならびに大阪府立大学理事長を表敬訪問しました。
大阪府立大学では植物工場と放射線研究センターを見学しました。その後は大阪府立大学辻理事長を表敬訪問しました。学生からは、この大学にインドネシアの留学生は何人ほどいるのか、大阪府立大学への留学方法についての質問などが多くありました。その後は帰国の途につくべく関西国際空港へ向かい、夜23時30分発の便で母国へと帰っていかれました。
学生からは、この研修を通じてより日本が好きになった、日本に留学したいという声がありましたが、会社見学を通じて本研修の趣旨である「日本の家電業界におけるものづくり体制」も理解してもらうことができました。