2016年度活動レポート(一般公募コース)第401号
光科学および材料科学に関する共同研究
電気通信大学大学院情報理工学研究科宮本洋子さんからの報告
電気通信大学では、2017年2月12日から3月4日まで、インドのハイデラバード大学物理学科より大学院学生1名(TAGAVULA Pradeep Chakravarthyさん)を招へいし、共同研究を含む学術交流を実施しました。
本学とハイデラバード大学は、10年以上にわたる研究協力の実績があります。本プログラムは、この協力をさらに発展させるとともに、ハイデラバード大学の学生に我が国の光科学および材料科学分野の優れた研究に接する機会を提供することを目的としました。
到着後まずオリエンテーションを行い、ハイデラバード大学出身のNayak 先生(特任准教授)を含む、本学サポートスタッフとの顔合わせを行いました。
共同研究は、Tagavulaさんとの事前の相談により、宮本研究室が受け入れ先となりました。研究は一軸性結晶中の光のスピン・ホール効果に関するもので、ハイデラバード大学でこれまで行っていた研究に対して、本学の結晶を用いて条件を変えて実験をしてみようということです。
Tagavulaさんは滞在中に熱心に実験に取り組み、徐々に精度の高い測定結果が得られるようになりました。
2月14日には学内の研究室見学、20日には本学大学院生と一緒に情報通信研究機構の見学を行いました。
学内では、美濃島研究室とフォトニックイノベーション研究センターを見学しました。美濃島研究室では光コムを駆使した「知的光シンセサイザ」について、またフォトニックイノベーション研究センターでは光ナノファイバに周期構造を作製して、高度な光制御を行う研究について学びました。
情報通信研究機構では、未来ICT研究所の武岡正裕氏に案内して頂いて、量子暗号や量子光学分野の最新技術について学びました。
3月1日には、本学レーザー新世代研究センターの研究発表会に参加して、滞在中の研究成果を発表して参加者と議論しました。
3日午後に修了式を行って、サポートスタッフや宮本研究室のメンバーと別れを惜しみました。
本プログラムにより、招へい学生に本学および情報通信研究機構の研究活動について学んでもらい、意見交換を行うことができました。Tagavulaさんはぜひまた研究者として日本を訪問したいということです。
本プログラムを契機とする研究は、その後も二大学間の共同研究として継続しており、今後の成果が期待されます。