2016年度 活動レポート 第394号:宮崎大学

2016年度活動レポート(一般公募コース)第394号

日本の先進的農業技術をその背景と共に学ぶ

宮崎大学からの報告

2017年2月21日から3月2日にかけて、カセサート大学カンペンセン校(タイ王国)、ヤンゴン大学(ミャンマー連邦共和国)、パテイン大学(ミャンマー連邦共和国)から、大学院生2名、学部学生9名、教員1名を、さくらサイエンスプログラムにより招へいし、さらにこれらの大学からの教員2名を加えた総勢12名を迎えて、農業施設の視察・見学や宮崎大学での講義・実験を通して、日本の先進的農業技術についての理解を深める交流事業を行いました。

まず一行は、東京に到着後茨城県つくば市に移動し、農研機構の「食と農の博物館」を見学し、日本の農業の歴史や現在行われている研究内容についての紹介を受けました。

次に、同じく農研機構の植物工場つくば実証拠点を見学し、先進的な施設園芸研究について学びました。

3日目からは宮崎での活動になり、宮崎大学において開校式を行った後、ミニラボツアーを行い、宮崎大学農学部植物生産環境科学科で行われている研究について紹介を受けました。

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ラボツアーでの見学
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フィールドセンターの見学

午後には、宮崎大学農学部附属フィールド科学教育研究センターを訪問し、宮崎大学が先進的に導入しているGAP(Good Agricultural Practice)についての講義を受けた後、農場見学を行って、宮崎大学の食の安心・安全に対する取り組みについて学びました。

また、夕方にはウェルカムパーティーを開催し、日本の教員・学生との交流を含め、楽しいひとときを過ごしました。

4日目には、宮崎大学を離れ宮崎県高千穂町を訪問しました。高千穂町はFAOの世界農業遺産に登録された地域で、標高の高い地域における効率的な水利用システム(山腹水路)についての説明を受け、地理的な不利を克服した農業生産体系の構築に感銘を受けました。

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高千穂の風景をバックに

5日目と6日目には、日本の文化体験を行いました。日本のマナーと着物の着付けを体験したほか、飫肥城などを訪問して、日本の歴史に触れることもできました。

7日目には、大学で植物生理学や植物病理学、応用昆虫学についての実習を行い、先端的な実験手法や最新の知見の習得を行いました。

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植物生理学実験実習
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植物病理学実験実習

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応用昆虫学実験実習.

8日目、9日目には、宮崎大学で熱帯果樹生産や施設園芸に関する講義を受け、また学内で研究が行われているソーラーシェアリングシステムについて、構内の施設見学を行いました。

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ソーラーシェアリング施設の見学

また、宮崎県総合農業試験場亜熱帯作物支場や、宮崎県国富町の次世代施設園芸拠点・宮崎拠点を見学しました。亜熱帯作物支場では、温室を利用した熱帯果樹栽培について知識を深めました。

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宮崎県総合農業試験場の見学(マンゴーの木の下で)
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次世代施設園芸拠点の見学

普段自分たちの国では、露地で栽培されている果物が温室の中で栽培されている様子は、とても新鮮に感じられたようです。また、次世代施設園芸拠点では、木質ペレットを使った暖房設備などの話を興味深く聞くことができました。

また、9日目の夜にはフェアウェルパーティーを開催し、招へいした学生は日本人学生と最後の交流を行いました。

そして最終日の10日目には修了式を行い、参加者に修了証が渡され、帰国の途につきました。

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修了式後の集合写真

10日間という短い日程ではありましたが、日本の農業や農業研究について、その先進性やユニークさのみならず、その背景にある日本の農業の現状や課題についても、十分に学んでもらえたのではないかと思います。

実施後のアンケートでも、プログラムの内容に好意的な回答が多く、将来再来日して日本の大学院でさらに学びたいという動機付けになったのではないかと思います。

最後にこのような機会を与えてくれた、さくらサイエンスプログラムならびに関係の皆様にこの場を借りて深く感謝いたします。