2016年度 活動レポート 第393号:宮崎大学

2016年度活動レポート(一般公募コース)第393号

日本のひなた宮崎県で体験する太陽エネルギー高度利用技術

宮崎大学からの報告

さくらサイエンスプログラムの支援を受け、宮崎大学は2016年12月3日から12月11日の9日間、科学技術体験コースを実施しました。

宮崎大学と大学間交流協定を締結している南京農業大学から、環境・エネルギー分野の技術開発を志す学生9名(学部生4名、大学院生5名)、若手研究者1名、引率する南京農業大学准教授1名の計11名が来日し、宮崎大学における太陽熱エネルギーの高度利用技術研究を始めとする、環境・エネルギー分野の研究開発に関する講義の聴講、宮崎県の食品廃棄物リサイクル・発電プラント、太陽集光システムを手掛けている東京の光学機器メーカー視察などを実施しました。

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宮崎大学における本プログラムのオリエンテーション終了後

宮崎大学大学院工学研究科の講義(エネルギー材料化学)を一緒に聴講した後、お互いに自身の研究や母国の文化について発表し、意見交換を行いました。

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エネルギー材料化学の講義終了後に中国と日本の学生が集合

宮崎大学のビームダウン式太陽集光装置は、世界最高水準の集光性能を有しており、1500ºC以上の高温を達成することが可能です。

最初に本装置の見学を行って、太陽集光システムの基本原理を理解するとともに、高温の太陽熱エネルギーを利活用するための研究開発状況について知見を得ました。

次いで、宮崎大学に設置して性能評価を実施している、日本企業の3社の集光型太陽光発電システムの見学を行いました。基本的な集光型太陽光発電システムの原理を学び、従来の太陽光発電との比較や、さらなるエネルギー変換効率向上のための技術開発について考察しました。

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宮崎大学に設置されている集光型太陽光発電システムの見学
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宮崎大学100kWビームダウン式太陽集光装置の見学

宮崎大学における環境・エネルギー分野の研究開発に関する講義は、
①電気システム工学科の迫田教授から「電力システムを中心とした研究」
②環境応用化学科の大島准教授から「有用物質の抽出に関する研究」
③同学科の塩盛准教授から「水相/有機相界面を利用した機能性物質の合成と応用に関する研究」
④同学科の大榮助教から「環境中の有害物質の除去技術を中心とした研究」
⑤電子物理工学科の吉野教授から「化合物系太陽電池の低コスト合成に関する研究」
⑥同学科の西岡准教授から「集光型太陽光発電システムを中心とした研究」
⑦機械設計システム工学科の長瀬准教授から「ビームダウン式太陽集光装置を利用した蓄熱システムの開発に関する研究」
についてそれぞれ実施され、熱心に聴講するとともに、活発な質疑応答を行いました。

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迫田教授による電力システムを中心とした研究に関する講義を聴講
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吉野教授による化合物系太陽電池の低コスト合成に関する講義を聴講

宮崎県は日本の農業基地であるとともに、焼酎の出荷量が2014年および2015年に酒造年度日本一を達成するほど、数多くの焼酎製造事業者が県内で操業しており、その中で都城市にある霧島酒造(株)を訪問しました。

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霧島酒造(株)焼酎粕リサイクルプラントを視察

ここでは、焼酎粕からバイオガスを製造して工場の熱源としたり、発電設備の動力源として利用しているリサイクルプラントを見学しました。

東京へ移動した後、ビームダウン式太陽集光装置を開発した三鷹光器(株)の中村社長による業務紹介を聴講し、工場並びに研究施設を見学しました。

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三鷹光器(株)中村社長による事業内容・開発機器の紹介

優れた光学技術を活かして開発された医療機器等の先端技術に触れることができ、研修メンバーは日没後も熱心に試験設備を観察していました。

本プログラムの最終盤は、日本文化を体験するために、池袋にある大和サンプル製作所を訪れ、食品サンプル作りに挑戦しました。

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大和サンプル製作所にて食品サンプル作りに挑戦

参加者全員、満足のいく作品を作り上げ、大切に中国へ持ち帰りました。

その後、日本科学未来館および東芝科学未来館を訪ねて、科学技術の歴史と最先端の両方を学び直しました。

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日本科学未来館を訪問

翌日の朝、成田へと移動し、多くの体験・日本の名産品とともに中国への帰国の途につきました。

最後に、本プログラム実施に当たり、多方面からの支援を頂いたさくらサイエンスプログラムの皆様、視察にご協力戴いた霧島酒造(株)の皆様、三鷹光器(株)の皆様、宮崎大学工学部・国際連携センターの関係者、また国際交流にご協力戴いた宮崎市を始めとする滞在地の皆様に、心より感謝申し上げます。