2016年度活動レポート(一般公募コース)第385号
森林資源の多面的活用による生活文化の形成について学ぶ
法政大学からの報告
法政大学では、3月6日~3月12日の期間、台湾、ミャンマー、ベトナムの豊かな森林資源を持つ3ヶ国から、建築を学ぶ学生および大学院生10名を招き、さくらサイエンスプログラムによる交流プログラムを実施しました。
プログラム内容は、日本の森林育成から、伐採・加工、そして多面的活用に至る木材の流通・利用過程をテーマとした講義と実地学習でした。
初日は成田空港到着後、田町校舎に移動し、ウェルカムパーティーに参加しました。
2日目の午前は根津神社と東京の下町散策をし、木材がいかに日本にとってなじみ深い建材であったかを体感しました。午後は日本の林産業と課題について林野庁から講師を迎えて講義を行いました。
3~6日目の静岡県で行われた実地学習では、天竜杉の植林・伐採現場、木材への加工過程、木造建築の新築・改築・解体の各現場を見学することで、木材の生産から使用まで日本の林業全体を俯瞰的に学びました。
また、天竜杉を内装や構造に用いた大型建造物である「草薙体育館」や、2015年度グッドデザイン賞ベスト100に選ばれた、デザイン工学部 網野禎昭教授設計「木のカタマリに住む」等の木造建築を数多く見学し、あわせてその構造や設計の意図について、設計依頼者や設計者から直接話を聞くことで、日本の木造建築の工法や設計に対して理解を深めることができました。
最終日には、参加者全員が本プログラムを通して、学んだことや感想を話したのち、母国の森林資源の状況、特徴的な木造建築の構造やデザインについてプレゼンテーションを行い、お互いの国の林業の現状に対しても理解することができるプログラムになりました。
また、日本文化の体験、また、本学大学生との知的交流を通して、ベトナムの大学生の知的好奇心を大いに刺激し、日本への興味関心、および日本の大学院への留学意欲の増進につなげることができたと考えています。
最後になりましたが、さくらサイエンスプログラム、今回のプログラムの運営・実施にご協力いただいた関係者の方々に厚く御礼を申し上げます。