2016年度活動レポート(一般公募コース)第383号
第3回海洋エネルギーに関する国際プラットフォーム人材育成事業
佐賀大学海洋エネルギー研究センターからの報告
平成29年2月27日~3月4日に、佐賀大学海洋エネルギー研究センターは、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、第3回海洋エネルギーに関する国際プラットフォーム人材育成事業として、計16ヵ国から若手研究者26名を受け入れました。
本センターは、地球にやさしい自然エネルギーのひとつである海洋エネルギーの開発を通じ、世界的なエネルギー・環境問題の解決に寄与するために設置されました。
本センターでは、海洋エネルギーの中でも特に、海洋温度差発電および波力発電を中心に、基礎的応用的研究に取り組んでいます。
また、全国共同利用・共同研究拠点として、研究施設の提供および共同研究の推進とともに、海洋エネルギーに関する人材育成を進めています。これまで約10年間、日韓の4大学間において、研究セミナーなど若手研究者のための人材育成事業を行ってきました。
第3回の海洋エネルギーに関する国際プラットフォーム人材育成事業は、これまでの2回の事業を継続・発展させるもので、海洋エネルギーの研究を行う若手研究者の更なる研究能力向上と、研究者間の学術交流の推進を目的としています。
若手研究者として「国内および海外の大学に在籍する修士および博士課程の学生、あるいは35歳以下の博士研究員および助教」の公募を行い選考し、イギリス、インド、インドネシア、オランダ、韓国、スペイン、タイ、中国、チリ、パラオ、フィジー、フィリピン、ブルガリア、ボリビア、マレーシア、大阪大学など計16ヵ国から26名が参加しました。
プログラム1日目はIOES伊万里サテライトの実験設備の見学を行いました。永田センター長および池上副センター長の案内により、主に海洋温度差発電実験設備、海水淡水化実験設備、海洋深層水環境実験装置、波力発電実験装置、水素エネルギー試験設備、リチウム回収装置、潮流・海流発電試験装置を見学しました。
2、3日目は、海洋エネルギー研究の第一人者による特別講義、および参加した若手研究者の研究発表講演会を実施しました。
研究発表講演会では、波力、潮力、温度差、洋上風車および海洋エネルギー利用技術の4つのセッションに分けて発表し、各発表に対する審査が行われ、計6名にベストプレゼンテーション賞が贈られました。
グループ討論では、参加者を5つのグループに分け、「What is the barrier to promote Ocean Energy?」「What should we do to promote Ocean Energy?」という2つの課題に対して議論を行い、その結果を発表しました。
4、5日目は、海洋エネルギーに関連するものづくりを学習するため、伊万里サテライト近隣の地元造船企業、長崎の造船企業を視察しました。
最終日は、ショートプレゼンテーションとして本事業内容を振り返り、得られた知見を議論しました。
本事業により、次世代を担う海洋エネルギーの若手研究者の人材育成とネットワーク形成に貢献しました。