2016年度活動レポート(一般公募コース)第380号
日本の科学技術分野を学ぶ日・越交流プログラム
日本ユースリーダー協会からの報告
この度、(公財)日本ユースリーダー協会では、さくらサイエンスプログラムの支援により、2016年12月6日~12日の7日間、ベトナム社会主義共和国の優秀な大学生(10名)、大学院生(2名)計12名を招へい致しました。
先方の送出し機関である青少年国際協力開発センター(CYDECO:Youth International Cooperation Development Center)は、ベトナム共産党の青年組織であるホーチミン共産青年同盟傘下の国際交流機関であり、今回の招へいにあたりベトナム大学生の募集を行いました。
厳正で精力的な公募の結果、ハノイ市、ホーチミン市から優秀な学生の参加しました。
理科系学生を中心に社会科学系専攻の学生も参加した今回のプログラムは、日本の科学技術分野における教育政策、特に大学での学際的な取り組みとして、環境科学の講義、最新の研究施設への訪問による産学官のネットワークの状況の学び、自国との比較により理解を深めることを基本としました。
7日間という短い期間の中でしたが、日本の科学技術の普及と、その基盤となる社会や文化についての理解を深め、今後の興味関心を持たせることが出来たと思います。
前半は、江戸東京博物館で日本の歴史に触れ、その後、国会議事堂、および立法府の関係者による科学技術振興の政策的側面についての概要説明により、日本での科学技術振興の素地を学びました。
さらに、大学教授による科学技術関連の政策事例の講義、そして、国立研究開発法人 海洋研究開発機構への訪問を通して、より最新の研究活動の事例を学びました。日本の科学技術の状況を、具体的に興味深く理解してもらえたと考えます。
後半は、地方での伝統的な産業に生きる科学技術の様子や、ホームステイを通して、生活体験も行い、広範囲な研修が実現しました。これらの訪問先のご厚意ご協力に、深く感謝申し上げる次第です。
これらの内容は、来日のベトナム学生に好意的積極的に受け止められて、各セッションで熱心な質疑応答、意見交換が行われました。
招へいした学生から、「是非、交流を続けたい」「日本へ留学し学びたい」との意見がよせられ、今後の日本とベトナムの科学技術分野における交流の促進につながることが、期待できると考えられます。
さらなる交流の継続を考慮し、今後の企画を検討したいと思います。
1週間という限られた期間ではありましたが、両国の参加者、ご協力いただいた各機関の皆様にとって、科学や技術といった平和に資するテーマを通しての草の根交流の大切さを、改めて認識するよい機会となったと考えます。