2016年度活動レポート(一般公募コース)第376号
日本の最先端歯学研究や高度な歯科臨床教育を学ぶ交流プログラム
岡山大学歯学部からの報告
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科では、平成29年1月9日から27日の19日間、ベトナム・ハイフォン医科薬科大学ならびにハノイ医科大学から、合計4名の歯学部の先生をお迎えし、交流プログラムを実施しました。
本プログラムでは、招へい者ごとに希望する分野の研究室に配属し、それぞれの研究室での研究活動を通じて、岡山大学における優れた研究環境を体感するとともに、将来日本において、外国人研究者として研究活動を行うことの素晴らしさを実感してもらうことを目的として企画しました。
日本到着の翌日 、先生たちはやや緊張した面持ちで、歯学部がある鹿田キャンパスにやってきました。午前中にはオリエンテーションとキャンパス内の案内を行い、昼食後は、歯学部主催の「English Lecture Series in Okayama University Dental School 2017」に参加しました。
これは滞在期間中に毎日開催された英語講義で、日本文化や先端歯学に関する基礎から臨床に渡る様々な分野についての講義を、学内の研究者が行うものです。
英語講義と並行して、11日から最終日まで、配属先研究室での生活を開始しました。今年度は、生体材料学分野、インプラント再生補綴学分野、歯科矯正学分野、スペシャルニーズ歯科センターに配属され、各々の分野が行っている研究を体験しました。
研究活動の合間には週3回程度、岡山大学病院での診療見学も経験しました。効率化された診療ステップや、使用している材料の違いがとても興味深そうでした。
16日からは、大学院生として岡山大学歯学部に在籍中のベトナム人留学生の引率で、課外活動を行いました。
16日の午前中は、ベトナムの先生方にはとても珍しい雪が舞う中、歴史ある大阪大学の大学院歯学研究科を訪問し、クラウンブリッジ補綴学分野の峯 篤史助教に研究室、学生実習室、附属病院といった施設をご案内いただくと共に、顎顔面口腔矯正学分野の黒坂 寛准教授には貴重な研究成果をご講義いただきました。
午後には大阪府豊中市にあるサンスター歯科診療所を訪問し、鈴木秀典所長に非常に洗練された診療室を案内していただき、一同大変驚いた様子でした。短い滞在期間中に複数の研究・診療施設を見学する機会に恵まれ、とても勉強になりました。
翌17日は早朝から京都に移動し、歯科用・医療器械器具の製造販売を行う、モリタ製作所の京都工場を訪問しました。
同社製品開発の歴史の説明を受けながら、旧型モデルから最新の診療機器の見学を通して、日本の歯科診療を支えてきた技術について学びました。
昼食時に、思いがけず同工場で働くベトナム人研修生と交流する機会を設けていただき、日本で活躍する同国出身者と交流できたことは、先生たちにとっても良い刺激となったことと思います。
18日の夜に開催した中間報告会には、同時期に歯学部に滞在していた5カ国7大学からの短期留学生18名を始め、多くの歯学部生・教員が参加し、大変な盛り上がりとなりました。様々な国からの留学生が一堂に会し交流を深めることができとても貴重な経験となりました。
週末には貸切りバスに乗って、学生・教員有志と他の短期留学生も一緒に、日本の歴史と文化に触れる研修を行いました。全国的に冷え込み強風が吹き荒れるあいにくの天候でしたが、倉敷美観地区、備中国分寺、造山古墳、吉備津神社訪問と盛りだくさんの日程で、思い出深い一日となったことと思います。
3週間という短い時間はあっという間に過ぎ、最終日の修了証授与にて本プログラムを無事終了いたしました。それぞれに充実した日々の中、将来について考える機会にもなった様子で、その後、国費外国人留学生 (大学推薦) 等の申請を行う者もあり、本プログラムが将来の有望な研究者育成の一助に繋がったものと期待しております。