2016年度活動レポート(一般公募コース)第372号
日本の科学技術・社会に対する一層の理解を深める交流プログラム
カザフスタン共和国から初の招へい者を迎えて
北海道大学からの報告
北海道大学では、今年度から新規に招へい対象国となった、カザフスタン共和国にある2つの高校から、平成29年2月6日~13日に高校生8名(各校から4名)、引率教員2名(各校から1名)、計10名を招へいしました。
首都Astana市にあるNazarbayev Intellectual School of Astanaと、旧首都でカザフスタン最大の都市であるAlmaty市にあるNational Physics-Mathematics Schoolは、2050年までに先進30カ国入りを目指すカザフスタン共和国において、国を担うエリート育成のため、大統領名を冠して創設されたNazarbayev Universityが公表している高校ランキングで1位と2位にランクされており、理系に優れた生徒が在籍しています。
招へいした生徒達は皆、好奇心旺盛で元気よく、今回のプログラムで経験し学んだことを、将来に活かしてくれることを確信しております。また、引率の先生達も日本への進学や留学に強い興味を示しており、帰国後に報告会を開催し情報を全校で共有する等、積極的に活動を行っているとの嬉しい報告がありました。
以下に本学で行った主な活動をご紹介いたします。
歓迎レセプション
北海道大学の学生による学生生活の紹介、カザフスタンの招へい者からは自国や在籍校に関する紹介や伝統楽器ドンブラの演奏が行われ、和やかな雰囲気の中、プログラムがスタートしました。
ロケット体験学習
植松電機(赤平市)にて、ロケット体験学習を行いました。植松専務の講和の後、生徒達は各自のモデルロケットを製作し、燃焼実験を見学した後、実際に打ち上げを行いました。雪が舞い散る中、打ち上げは無事成功しました!
日本文化体験
興禅寺(滝川市)にて、禅と茶道を体験し、精進料理をいただきました。異文化体験を通じて、さらに日本に対する興味が深まった様子でした。
ISP模擬授業
2017年秋にスタートする、英語による理系プログラムのIntegrated Science Program(ISP)の教員が、物理、化学、生物、数学の模擬授業を行いました。理系に強い興味を持つ生徒達は、積極的に授業に参加していました。将来、日本の大学に進学することも選択肢の1つとなったようです。
ISP模擬授業
ラボビジット
工学研究院と情報科学研究科において、ラボビジットを行いました。宇宙システム工学分野(永田晴紀教授)のビジットは、多くの学生の協力のもと、講義、クイズ、前日に訪問した赤平で見た小型ロケット燃料のデモと多彩な内容で構成されました。
ラボビジット
ロシアの有人ロケットの発射基地があるカザフスタンですが、北海道における、最先端の小型ロケット研究をアピールすることができたのではないでしょうか。
続いて訪れた複合情報科学講座(小野哲雄教授)では、研究内容の紹介を一部ロボットが行いました。英語を解する(ゆっくり大きな声で話しかけること!)ロボットと高校生が会話する機会も設けられており、会話した生徒は大興奮です。
また、スウェーデンからの留学生による日本での留学生活紹介では、より具体的に日本留学のイメージを掴むことができたのではないかと思います。
日本の高校生との交流
スーパーサイエンスハイスクール北海道札幌開成高等学校との交流プログラムを行いました。同校のOGでもある繁富香織准教授による、Origami Engineering(細胞折り紙)に関する講義の後、参加者は折り紙で跳ねるカエルを作成。チーム対抗で点数を競うゲームを行いました。
日本の折り紙は、今や世界のORIGAMIとなって、工学や医療等の分野に応用されているとのこと。日本人にとっても驚きの発見でした。