2016年度活動レポート(一般公募コース)第369号
日本の加速器開発・利用の最先端について学ぶ
東京大学からの報告
東京大学では、平成28年11月29日~12月7日の日程で、中国科学技術大学より11名を招へいし、研修プログラムを実施しました。
<11月29日>
成田空港に無事到着し、バスで茨城県那珂郡東海村へ移動しました。
<11月30日>
東京大学東海村キャンパスにて、山下真一助教(東京大)がオリエンテーションを実施し、その後、工藤久明准教授(東京大)より原子力専攻(専門職大学院)の教育および研究に関してレクチャを受けました。
昼食後、研修生を中心とした研究発表会を行い、夕方には近隣で歓迎会を実施しました。
<12月1日>
午前中は日立製作所日立研究所エネルギー環境研究センターを見学し、福島事故対応で活躍する、遠隔操作ロボ、ガンマカメラなどの開発状況をお見せいただきました。
午後は日本原子力研究所の原子力科学研究所に移動し、大型加速器 J-PARC、日本最初の研究用原子炉であるJRR-1の展示館、などを見学しました。
<12月2日>
午前中、東京大学東海村キャンパスにて、加速器施設(ライナック、HIT、ブランケット)を見学し、午後は日本原子力発電に移動しました。東海テラパークおよび東海第二発電所で緊急時対策として福島事故以降にとられた対策や、燃料の保管、廃炉の実際などについて説明を受けました。
<12月3~4日>
週末は、都内を中心として日本の文化に触れてもらいました。
<12月5日>
午前中は東京大学本郷キャンパスにおいて、上坂充教授(東京大)より、日本における加速器開発とその利用の最先端についてレクチャを受けました。小型加速器の開発やインフラの非破壊診断への応用、がん治療や認知症診断への利用など、今後の可能性も含めて講義を受けました。
その後、修了証の授与式を行い、研修生全員に上坂教授より修了証とバッジが手渡されました。
その後、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構の放射線医学総合研究所へ移動し、がん治療用高エネルギー重イオン加速器 HIMAC やサイクロトロンを利用した核医学診断用薬剤開発、などについて見学しました。
<12月6日>
午前中は東京大学本郷キャンパスにおいて、勝村庸介理事(日本アイソトープ協会)より、日本における放射線利用や、放射線研究黎明期のレクチャを受けました。
午後は、東芝鶴見事業所へ移動し、国際核融合炉ITERに実際に使用されるコイルの製作状況などを見学し、その足で横浜事業所へ移動しました。横浜事業所では、軽水炉のレーザーピンニングによるメンテナンスや、ニュートリノを利用した非破壊検査技術開発なども見学させていただきました。
<12月7日>
成田空港より帰国の途に就きました。