2016年度 活動レポート 第368号:東京大学大学院工学系研究科

2016年度活動レポート(一般公募コース)第368号

日・中学術国際交流を促進する研修プログラム

東京大学大学院工学系研究科からの報告

東京大学大学院工学系研究科では、さくらサイエンスプログラムの採択をうけ、北京交通大学より博士7名、修士2名の学生と引率教員2名(ポスドク1名、教授1名)を招へいし、中国と日本の学術国際交流を促進する事を目的に、2017年2月4日から7日間の研修プログラムを実施しました。

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東京大学赤門前集合写真

同メンバーは英語が堪能で、光電子材料分野で優秀な成績を収めている学生を中心に、日本の様々なテクノロジーに興味関心のある学生が精力的に参加し、異分野・異文化交流の場として闊達な意見交換が行われました。

特に、プログラム3日目には、古月文志教授(政策ビジョン研究センター・ナノテクノロジーイノベーション研究ユニット)による「セルロースナノファイバー/カーボンナノチューブ複合ナノ構造体の合成と応用」をテーマにしたワークショップを行い、「森林資源を有効活用した革新的新素材の創成応用」や「新型キャパシタの研究開発」、「キャパシタ搭載型鉛電池の研究開発」など、最先端のナノテクノロジーを扱う研究室のプロジェクトを紹介し、研究員とのグループディスカッションも行いました。

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ナノアグリ研究室訪問、研究員による詳細説明

また、ワークショップでは、技術開発や応用研究の可能性だけでなく、社会における研究の意義や役割についても討論しました。

同時に、発光性ナノ粒子や柔軟型キャパシタ等、学生達のプレゼンテーションは非常に興味深くもあり、研究熱心で好奇心が強く、ディスカッションでは、有機系ナノ素材と無機系ナノ素材のナノ・ナノ融合にも関心が集まりました。

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古月文志教授によるレクチャーおよび各プレゼンテーション

さらに、プログラム期間中は、ワークショップや大学内の研究施設の紹介に留まらず、日本化学未来館や科学技術館、TEPIA先端技術館、国立科学博物館等も訪問する事ができ、限られた時間の中でも、広く科学技術分野の最新動向や膨大な資料を見聞きする事で、各々にとって多方面からの刺激を受ける機会になったのではないかと感じています。

そして、一連のプログラムを通して、多面的かつ専門的な知識の収集と、有益な知見の交換からは、今後の学生自身の研究と将来展望への、多大なフィードバックがある事を期待しています。

東京大学では、今回のさくらサイエンスプログラムの交流をきっかけとし、今まで交流がなかった分野での共同研究の推進をはじめ、さらなる日中大学間の学術国際交流や、国や分野を超えてイノベーションを担う人材育成の機会を創造すべく、活動を行っていく所存です。

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修了証書を手に記念写真