2016年度活動レポート(一般公募コース)第357号
カンボジア・ラオスの医学生に対する先進的医療体験
国際医療福祉大学からの報告
国際医療福祉大学では、さくらサイエンスプログラムのご支援により、平成29年2月22日から3月1日までの日程で、学術交流協定を結んでいるカンボジア国立保健科学大学とラオス国立健康科学大学から、それぞれ医学部生4名と教員1名ずつ、計10名を招へいいたしました。
「カンボジア・ラオスの医学生に対する先進的医療体験」をテーマとして、両国の医学生に対し、我が国の最先端の医療機器やサービスに関する技術・知識等を紹介し、日本の医療や医学教育について興味を持ってもらうこと、また日本・カンボジア・ラオス間の国際交流を通じて、各国の医療事情や医療制度について相互理解を深め、医療に対する多様性や見識を深めることを目指したプログラムを実施しました。
研修初日は、本学医学部の教授陣から「日本の医学教育について」、「21世紀の医学教育について」といったテーマの講義を行い、日本の医学教育とその将来像についての理解を深めました。また本年4月に開設した、成田市の医学部キャンパスや学生寮を見学し、学生との意見交換も行われました。
翌日は、本学の付属・関連施設である、都内の国際医療福祉大学三田病院や、山王病院、山王メディカルセンターを視察し、実際の医療現場の見学を通して、日本の最先端の医療機器やサービスを学生たちに紹介しました。その後、視察を踏まえて「日本の医療事情」をテーマとした講義を行いました。
また、本学の関連施設の1つである特別養護老人ホーム・障害者支援施設「新宿けやき園」を視察した際には、居住している高齢者の方々が大変幸せそうであるといった声があがり、カンボジアやラオスでも、このような施設が近い将来必ず必要であるといった意見が交わされました。
研修中の見学先である日本科学未来館では、その展示内容に、学生のみならず教員も大変興味をひいたようで、2時間の見学時間では足りず、もっと長く時間を取ってほしかったといった意見が多く聞かれました。
研修最終日は本学医学部長から、「医学を目指す若者へのメッセージ」というテーマの講義を行いました。医師にとって何が重要であるかといった内容の講義に対して、学生たちから様々な意見が出されました。
その後、修了式に先立ち、各研修生が本研修での成果を発表し全行程を締めくくりました。
1週間という限られた期間ではありましたが、受け入れる側である当学にとっても、他の国々の医学教育事情などを知る大変貴重な体験となりました。このような相互に実りの多い機会を与えてくださいましたさくらサイエンスのご関係者の方々に心より御礼申し上げます。