2016年度 活動レポート 第344号:国際環境技術移転センター

2016年度活動レポート(一般公募コース)第344号

美しい自然と安全な生活環境を守りたい

国際環境技術移転センターからの報告

(公財)国際環境技術移転センター(ICETT)では、インドネシア共和国各地より、9名の研究者、大学院生、行政官らを招へいし、「水質管理および固形廃棄物管理を中心とした地域の環境管理」をテーマとして10日間(2017年2月20日~3月1日)に亘る交流プログラムを実施しました。

日本と同様に多くの島から構成されたインドネシア共和国では、近年の著しい経済発展を背景とした、都市部への人口集中や内需拡大、インフラ整備の遅れに伴い、水質汚濁、大気汚染、廃棄物増加などの様々な環境汚染が顕著化し、早急に解決されるべき課題として、各地での取り組みが始まっています。

参加者らは、同国内各地より集まった環境管理、海洋汚染対策、都市計画などを専門分野とする研究者で構成されました。

プログラムの冒頭では、日本の水質管理、固形廃棄物管理に関連する法制度を学び、生活を取り巻く環境や社会ニーズの変化に応じて、基準が段階的に厳しいものとなり、新たな制度や取り組みが構築されてきたことを理解しました。

下水処理施設や、一般廃棄物および産業廃棄物の処理施設では、家庭や工場などの施設から排出される排水、廃棄物の処理過程を見学し、用いられている技術や、最終的にどのような状態で自然界や循環システムに放出されるべきかについて理解を深めました。

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下水処理施設の見学
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廃棄物処分場の見学

また、自治会による資源物の分別収集活動の見学や、ICETT近隣の一般家庭への訪問では、住民の努力が廃棄物の減量やリサイクル促進に対して重要な役割を果たし、より良い環境づくりへと繋がっていることを実感したようです。

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地域住民による分別収集

さらに鳥羽市答志島では、市外から流れ着く大量の漂着ごみに悩みを抱え、行政のみならず地元住民主導による撤去作業や、問題を根本から解決するための市外への呼びかけ等の取り組みが行われています。

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漂着ごみに関する意見交換

インドネシア共和国各地でも同じ課題に直面しており、地元住民との意見交換では、「ごみの排出源となる他の自治体住民や企業への現状周知の手法」「主要産業である養殖業への影響が最小限となるような対策」「対策に取り組む上での苦労や新たな課題」などについて、熱心な意見交換が行われました。

また滞在期間中には、茶道体験や一般家庭への訪問を通じて日本文化への理解を深めました。

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茶道体験
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伊勢神宮参拝

生産年齢世代が人口の多くを占めるインドネシア共和国では、未来を担う若い世代が、経済発展と良好な環境が両立された社会の構築に積極的に取り組んでいます。

本プログラムでの経験が彼らの今後の研究活動に活かされ、同国のみならず、同じ課題を抱える諸外国の明るい未来に繋がることが大いに期待されます。

本事業に多大なご協力を賜りました、在大阪インドネシア共和国総領事館、県内地方自治体や企業、漁業関連機関の皆様に心より感謝申し上げます。

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