2016年度 活動レポート 第337号:九州工業大学大学院情報工学研究院

2016年度活動レポート(一般公募コース)第337号

アジアの未来を担う若者同士の国際交流を促進する

九州工業大学大学院情報工学研究院機械情報工学研究系
鈴木恵友さんからの報告

九州工業大学では、平成29年1月15日から1月21日までの7日間にわたり、さくらサイエンスプログラムにより国立台湾科技大学から合計11名(学部生10名、引率1名)を招へいし、交流プログラムを実施しました。

国立台湾科技大学は、大学間で協定を締結しており、学部生・大学院生を対象に、毎年8名~11名程度の学生の短期留学の受入や派遣を実施しています。

短期留学の内容としては、機械系の学生を中心に協働教育・研究の実施や、本学の最先端技術の研究、海外における英語講義の受講、企業見学などです。本学の学生に海外の学生に触れる機会を与えることで、国際的な感覚を育成する上で既にいくらかの成果が確認できています。

本プログラム参加資格は、本学においては機械系以外に電子系や知能系の学生、国立台湾科技大学においては機械系や電子系の他にデザイン系の学生にまで範囲を拡張しました。

また台湾から招へいした学生は初めての来日であるため、実施内容に関しては、協働学習の他に工場見学や文化体験なども盛り込むこととしました。

具体的な内容は以下の4点です。
①市販ロボットによるPBL(問題解決型授業)の実施
②研究室見学の実施
③工場見学
④最終報告会

学生が主体となる活動を通して、互いの意思疎通を積極的に図るようにしました。

PBLの内容としては、台湾の学生と本学の学生がチームを組み、チーム毎にロボットの組み立てキットを用いて、研修課題に取り組みました。

ここでは課題に関する説明資料を敢えて日本語にすることで、本学の学生から台湾の学生に課題内容について説明させ、理解を共有するように促しました。

課題の内容としては、ロボットのタイムレースやパフォーマンスなどを行う競技会や、英語によるプレゼンテーションを中心としました。

研究室見学においては、複数の分野から6つの研究室に協力を依頼し、PBLの実施途中に盛り込むことにしました。

合わせて、九州地区で自動車産業が盛んであることや、飯塚地区に関する理解を深めるため、日産自動車の苅田工場や、(株)ひよこの工場見学も実施しました。

また、日本の文化体験として、追い出し猫本舗で絵付け体験も実施しました。

日程の詳細は以下の通りです。

1月15日

午前:空港到着
午後:来学, オリエンテーション(主に日本の生活に関する説明)

写真2
オリエンテーション

1月16日

午前:大学紹介と飯塚キャンパス研究室見学、協働学習のチーム割り振り
午後:学生による自己紹介、研究室見学、研究内容等のプレゼンテーション

写真4
自己紹介

1月17日

午前:協働学習の説明<PBLにおける課題説明>
午後:研究室見学、協働学習(チーム別のロボット製作)

1月18日

午前:協働学習( チーム別のロボット製作)
午後:研究室見学、協働学習(チーム別のロボット製作)

1月19日

午前:協働学習(チーム別のロボット製作)、競技会または合同発表会準備
午後:競技会または合同発表、送別会

写真1
協働学習(チーム別のロボット製作)
写真3
競技会
写真5
送別会

1月20日

午前:(株)ひよこ製造工場見学、文化体験(焼き物絵付け体験)
午後:日産自動車九州 工場見学

写真6
製造工場見学(株式会社ひよこ)

1月21日

午前:空港へ移動
午後:帰国

学生間の交流は研究だけに留まらず、様々な場面で行われました。
また、ダブルディグリーにより受け入れている台湾の留学生や、12月に台湾に派遣した本学の学生が本プログラムに参加してくれたことにより、一層幅広く学生の国際的な感覚を育成することができました。

一方、反省点として、短期間にPBLの課題を多く入れすぎたため、日本の文化体験の時間を十分に取ることができなかった点が挙げられます。

反省点を改善しながら継続的に本プログラムを実施し、台湾と日本の学生の単純な文化交流だけではなく、技術を主体とした交流をすることにより、アジアの未来を担う若者同士の国際交流促進により深く貢献していくものとしていきたいと思います。