2016年度活動レポート(一般公募コース)第326号
持続可能な社会創造のための最先端環境保全技術を学ぶ
北九州市立大学環境技術研究所 門上希和夫さんからの報告
さくらサイエンスプログラム交流事業により、2017年2月5日~2月14日の日程で中国済南市の斉魯工業大学環境工学科(Qilu University of Technology、 School of Environmental Science and Engineering)から10名の若手講師が来日しました。
2016年5月の1ヶ月間、私は斉魯工業大学の客員教授として、環境工学科で授業を担当しました。
本プログラムは、私の授業をサポートしてくれた来日経験のない若手教員に、
(1)世界最先端を行く我が国の環境保全、廃棄物リサイクル、再生可能エネルギー技術を実際に見てもらうこと
(2)激甚な公害を克服して現在は循環型社会、持続可能な社会の創造に取り組んでいる北九州市および悲惨な健康被害が出た水俣病の発生地である水俣市を訪問し、関連施設を自分の目で見て、関係者の話を聞くことで環境保全と汚染の未然防止の重要性を肌で理解して頂くこと
以上2点を目的としました。
また、視察の合間に日本の美しい風景や食事を楽しみ、多くの日本人とふれあって日本文化を知って頂きました。
研修日数は土曜日を含めて6日間と短かく、毎日朝から夕方まで多忙なスケジュールでした。
北九大では、大気モニタリングや有害物質分析の講義聴講と実験室やサンプリング装置を視察しましたが、非常に熱心な質問や議論を通して、共同研究に繋がる成果を得ることができました。
北九州市内の環境関連施設研修では、北九州市環境科学研究所、下水処理場、高度下水処理のウオータープラザ、公害克服の歴史を展示した環境ミュージアム、資源リサイクル事業の集積地である北九州エコタウン、PCB廃棄物処理施設、北九州スマートコミュニティーなどで研修を受けました。
水俣市では、熊本県環境センター、水俣市立水俣病資料館、水俣病情報センターおよび国立水俣病総合研究センターを視察しました。
多くの施設で館長や所長自らからの説明を聞くことができ、非常に有意義な勉強ができたと思います。
実際、参加者のアンケート結果を見ると、
質問1のWere you satisfied with participation in the exchange program?
の回答では、
Very satisfiedが9名、
Relatively satisfiedが1名、
質問3のWere you satisfied with visiting to the university、 research institutes、 or the Science Museum?では、
全員がVery satisfiedでした。
質問4のDo you wish to come to Japan again?では、
Definitely wishが8名、
Wishが2名でした。
これらの結果からも、今回の招へいが如何に彼らに役立ち、良い経験であったか、また短時間ながら、日本での生活や人との触れ合いが、彼らに大きな印象を与えたかが分かります。
今回の訪問で、日本への理解を深めることができ、日本ファンが増えたことは大きな成果です。