2016年度活動レポート(一般公募コース)第321号
持続的なネットワークを築く日タイ高校生科学技術交流プログラム
ユネスコ・アジア文化センターからの報告
(公財)ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)は、さくらサイエンスプログラムの支援を受け、2017年2月7日から13日までの7日間にわたり、タイ教育省の推薦を受けたタイ全国の高校生14名、引率教職員1名、計15名を招へいし、「日タイ高校生科学技術交流プログラム」を実施致しました。
日本の最先端技術に触れる
8日午前に訪問した日本科学未来館では、各自の関心分野に応じて展示を見学したほか、全員でASIMOの実演を見学しました。日本の優れたロボット技術に、タイの高校生から大きな拍手があがりました。
同日午後には東京スカイツリーを訪問し、その高さや展望台からの眺めはもちろん、エレベーターの速度やその技術にも参加高校生は高い関心を寄せていました。
9日午前に訪問した筑波宇宙センターでは、「これまでテレビのニュースや映画の中でしか見たことがなかった管制室を、実際に目の前で見ることができ、まるで夢のようでした」との感想があがるなど、皆、目を輝かせていました。
同日午後は、サイエンス・スクエアつくばを訪問し産業技術総合研究所の最新の研究に触れました。特にロボット技術の活用について多くの質問があがり、ロボットと暮らす未来について考えを巡らす、実りある時間を過ごしました。
SSH訪問
10日、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)である市川学園市川中学校・高等学校を訪問しました。
世界史の授業では、日本の生徒とのグループワークや、タイ文化についての発表を行いました。
また、SSHの授業では化学・物理・生物のうち、それぞれの関心分野の教室で、同校の生徒の研究を見学、討論、また体験することで、科学技術を通した交流が行われました。また、同校の茶道部、書道部では日本文化を体験する機会が設けられました。
深まる日タイ交流
12日には「日タイ高校生交流会」を実施しました。タイからの高校生と同じ14名の日本の高校生が、この交流会に参加しました。東京近郊の学校はもちろん、長野県からも参加がありました。
午前の部では、自己紹介やお互いの学校生活について知る活動を行い、午後の部では、「身のまわりの“困った”をテクノロジーで解決しよう」というテーマでディスカッションをしました。
互いの知識とアイデアを出し合い、問題解決を目指す過程ですっかりと絆が深まり、交流会終了後は互いに別れを惜しみながらも再会を約束する姿がみられました。
この交流会のほか、9日夜の歓送レセプションでは、関東国際高等学校のタイ語コースの生徒との交流の場が設けられました。
また11日のホームビジットも、タイの高校生にとって忘れられない時間となりました。ホストファミリーと交流できただけでなく、日本の一般家庭を訪問したことで、日本文化を学ぶ良い機会となったようです。
本プログラムに参加したタイの高校生が、日本での7日間の経験を今後の学習や研究に生かしてくれることを、そしていつか留学生として再び日本にやってくることを、心から楽しみにしています。