2016年度活動レポート(一般公募コース)第313号
持続可能な発展と科学技術について学ぶ日中交流
横浜国立大学からの報告
横浜国立大学では、平成29年1月16日から23日にかけて、さくらサイエンスプログラムより、中国・北京師範大学資源学院から学部学生10名、引率教員1名を招へいしました。
本プログラムの特徴は、本学経済学部が平成24年度以降実施してきた北京師範大学資源学院との学部学生相互交流プログラムをベースとしつつ、本学の自然科学系を含む研究機関(都市イノベーション研究院)と連携して実施される点にあります。
具体的には、事前に交流活動のテーマを設定し、下記3点の要素を組み合わせることで、滞在期間中の学習効果を最大化するよう意図しました。
①本学教員による特別講義
②関連する科学技術施設等でのフィールドワーク
③本学学生との英語でのテーマ・ディスカッションを中心とする相互交流
なお、さくらサイエンスプログラムとしての実施は今年度で3年目となります。
今年度の交流活動のテーマは、「持続可能な発展と科学技術」です。
日中両国は、ともに20世紀後半以降急速な経済成長を経験し、現在では成長が鈍化するなかで、持続可能な発展が模索されています。
その意味で、中国の若者が日本の関連分野における先進的な科学技術に触れ、また本学学生と積極的に意見交換をすることは意義深いと考えたためです。
滞在期間中の具体的な日程は以下の通りです。
<16日>
羽田空港到着、横浜市内宿舎に宿泊
<17日>
レセプション&オリエンテーション
特別講義(国際社会科学研究院・植村博恭教授)
<18日>
日本科学未来館視察
江戸東京博物館、浅草寺視察
<19日>
特別講義(国際社会科学研究院・居城琢准教授)
本学学部学生との英語討論会1
<20日>
特別講義(都市イノベーション研究院・張晴原教授)
本学学部学生との英語討論会2
Farewell party
<21日>
神奈川県内地域発展関連施設視察・文化体験(小田原・箱根)
<22日>
本学学生との交流・東京都内文化施設視察
<23日>
羽田空港より帰国
プログラムの活動は多岐にわたりますが、ポイントとなるのは、やはり本学学部学生との2回にわたる英語での討論会です。
討論会では、双方の学生が事前に準備した、日中双方の「持続可能な発展」に関連するプレゼンテーションを行い、その内容にもとづいて率直な討論が展開されました。
プログラムを運営するなかで強く感じたのは、招へい学生にアウトプットの場を与えることの重要性です。
特別講義や視察といった、インプットの部分を効果的に配置することももちろん重要ですが、招へい学生が、自身の考えや滞在期間中に学んだことを表現する機会を設定することで、プログラム全体に良い意味での緊張感が生まれます。
また、本学学生にとっても、中国の学生と共通のテーマについて真剣に討論することは、国際コミュニケーション能力を鍛える上での得難い経験となりました。
最後に、今年度もこのような貴重な機会を与えていただいたさくらサイエンスプログラム、およびプログラムに快く協力してくださった全ての方々、機関に、心から感謝申し上げます。