2016年度活動レポート(一般公募コース)第309号
北京交通大学経済管理学院との研究交流の始まり
早稲田大学大学院情報生産システム研究科からの報告
2017年3月、北京交通大学経済管理学院(SEM)において、早稲田大学大学院情報生産システム研究科(IPS)の学校説明会が開催されました。さくらサイエンスプログラムがきっかけとなった、SEMとの研究交流の始まりです。
IPSでは、2016年10月12日~10月21日、さくらサイエンスプログラムにより、SEMから准教授1名、講師1名、ポスドク研究員1名、学生7名を招へいし、IPSの用意した研究交流プログラム「Application of Information Technologies and Logistic Systems in Japan」を実施しました。
IPS は留学生率が90%以上であり、講義、研究指導だけでなく、事務手続き等もほとんどが英語を通じて行われている国際的な大学院であり、海外からの訪問者受け入れ態勢は整っています。
しかし、それ以上に、今回引率者として来日した准教授は、以前IPSの博士後期課程を修了しており、滞在中参加者に細やかな心配りをしてくださったため、プログラムの実施は極めて円滑でした。
プログラムでは、IPS教員による講義と、IPS大学院生、SEM一行の双方から研究発表があり、IPS研究室見学も行われました。
SEMは、情報管理、ロジスティクス管理に関する研究に強く、この分野において中国トップ学院のひとつです。
一方で、IPSはものづくりの街として知られる北九州市に位置し、情報通信技術とものづくり技術の融合研究を主に行っています。両者が、教室での研究交流だけでなく、実際の生産情報システムやロジスティクスの現場を見学する5つの工場ツアーも行ったことは、今回のプログラムを充実したものとするためにたいへん有効でした。
その他、日本文化体験、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」および北九州市環境ミュージアムの見学もプログラムに含まれており、日本を理解する一助になったと思われます。
そして今、このさくらサイエンスプログラムによる研究交流がきっかけとなり、IPSへの留学、サマースクールへの参加という学生交流と、訪問学者による研究者交流が始まろうとしています。
学校説明会には、IPSへの留学と、今夏実施予定のサマースクールに関心をもつSEM学生が多数集まり、さくらサイエンスプログラムの研究交流に参加した面々も駆けつけてくれました。
教育・研究両面にわたる両学院の本格的交流が始まることにより、交流に対する第二、第三の理解者が生まれるに違いありません。さくらサイエンスプログラムが生み出すこのような循環型の効果を実感しました。
このような心温まる交流のきっかけを与えてくれたさくらサイエンスプログラムに、深く感謝したいと思います。