2016年度 活動レポート 第306号:熊本大学パルスパワー科学研究所

2016年度活動レポート(一般公募コース)第306号

衝撃エネルギー(パルスパワー)と先端材料科学技術について学ぶ

熊本大学パルスパワー科学研究所からの報告

熊本大学パルスパワー科学研究所では、平成29年1月16日から23日の期間、さくらサイエンスプログラムの支援により、韓国・培材大学校から学部学生7名を招へいして「先端材料科学技術者養成講座」を開催しました。

本プログラムは、熊本大学理工系の研究施設であるパルスパワー科学研究所を中心に、先端マグネシウム国際研究センターの協力を得て、日本の先端材料技術についての知識を深めてもらうことを目的としています。

具体的な内容は以下の4点です。

(1)学内の施設見学
(2)先端材料関係の講義
(3)パルスパワー科学研究所にある爆発実験施設を利用した実験
(4)県内の科学技術施設見学

写真1
講義中の記念写真

最終日には英語での口頭発表とポスター発表を通じたディスカッションも行いました。全体の日程は以下の通りです。

1月16日

福岡空港に到着、移動、宿舎にチェックイン
熊本大学でオリエンテーションを実施

1月17日

近代科学技術史と熊本・熊本大学の歴史紹介
学内の歴史的建造物を見学(残念ながら、震災により建物外からの見学)
パルスパワー科学研究所(爆発実験施設および衝撃大電流施設)見学

写真2
実験準備の様子

1月18日

先端マグネシウム国際研究センター見学
講義(衝撃エネルギーを利用する材料加工)

1月19日

講義II(先端新素材創製・解析技術)
実験I(爆発実験施設を利用した爆発衝撃波現象の観察実験)

1月20日

実験II(爆発実験施設を利用した衝撃エネルギー材料加工実験)
工場見学(平田機工㈱)

写真3
工場見学の風景

1月21日

科学技術関連施設見学(くまもと工芸会館)
科学技術関連施設見学(熊本県環境センター、国立水俣病総合研究センター)

1月22日

講義III(先端エネルギー材料)
交流会(参加学生による口頭発表とポスター発表を通じた意見交換)

写真4
ポスター発表の様子

1月23日

福岡空港経由で帰国

講義もさることながら、爆発実験施設は他にない特徴的な施設であることもあって、爆発力を用いた加工実験には特に興味を持ってもらったようです。

参加学生は日本人学生の協力を得つつ、個々に「葉っぱ」などを型にして金属板の爆発成形実験を試みるなどして、交流していました。最後の交流会でも、英語によるディスカッションが長く続き、交流の実が得られたようです。

写真5
交流会の記念写真

先方の大学とは、「環黄海」をまたいだ広い連携を以前から模索しており、将来は複数国からの参加を得て、多国間の相互理解を深めるような行事に育てたいと考えています。

英語の利用は必須と思われますが、若い人たちのエネルギーを感じることのできた行事となったように思います。