2016年度 活動レポート 第296号:京都工芸繊維大学

2016年度活動レポート(一般公募コース)第296号

日本の繊維分野最先端研究を学ぶ

京都工芸繊維大学からの報告

京都工芸繊維大学では、平成29年1月15日から22日にかけて、繊維分野の短期プログラムWinter Textile School at KIT on JST Sakura Science Programを開講しました。

本プログラムは、さくらサイエンスプログラムの採択を受け、繊維学系の横山敦士教授を中心として、協定校である中国・浙江理工大学から教員1名および学生10名を招へいし、実施されました。

参加者に幅広く日本の繊維業界の状況を紹介することを目的とし、学内で6つの特別講義、7研究室訪問、学外では2つの有名企業訪問、伝統文化体験と、充実した1週間を過ごせるようプログラムが設定されました。

参加者は全員がはじめての来日であり、日本人学生がチューターとして配置され、生活面でも手厚いサポートが行われました。

初日は、オリエンテーションや歓迎会の後、早速、ホールガーメントのデモンストレーションを見学しました。

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これは、縫い目なく立体的に製品を編み上げることができる編み機で、参加者は機械の動きを見ながら、「編み」と「織り」の違いについて説明を受けました。

翌日以降は、シルク廃材を用いたアップサイクルに関する特別講義や、複数の研究室を訪問し、本学の研究内容や留学する際の具体的なイメージをつかんでいきました。

3日目以降は、学外にプログラムを展開し、ワコールや村田機械といった、京都に本社を置き世界的に活躍する繊維企業を訪問することで、日本の繊維分野における最先端技術について学びました。

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さらに、絞り染めの体験や、西陣織会館にて着物のショーを観覧するなど、京都の伝統工芸や文化にも触れました。

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学生交流の点では、初日に日本人学生との交流会が開催され、互いの母語を教えあったり、京都の名勝について地図を見せながら説明するなど、双方の文化に触れあい、知識を吸収する機会としていました。

参加者からは、滞在期間中に様々な体験ができ、自身の学術的な目標が見えてきたことや、人々との交流の中で日本人への理解が深まったことなどが有意義であったという感想が寄せられました。

プログラム実施後も、参加者は、訪問した研究室の教授と密に連絡を取り続けています。そのうち2名の学生が、より長い期間の交換留学制度への応募を希望し、再来日を予定しています。

日本の繊維分野における最先端技術、さらには日本文化の紹介を通して、浙江理工大学との交流を深めることができました。

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