2016年度 活動レポート 第280号:福岡アジア都市研究所

2016年度活動レポート(一般公募コース)第280号

アジアのリーダ都市をめざす福岡市における大学の研究力と留学生の活躍

福岡アジア都市研究所 唐寅さんからの報告

当研究所が在福岡中国総領事館の紹介により、中国科学技術部農村科学技術司がコーディネートした中国江西省の高校生訪問団一行16名(含引率者)を、1月15日~22日の日程で福岡に招へいしました。

福岡には数多くの大学が立地しており、新エネルギー、材料、バイオおよび先端医療等の分野において、注目すべき研究成果を上げています。また、福岡では長年にわたり中国やアジアから多くの留学生も受けて入れており、卒業した彼たちが現在各々の研究開発領域で活躍しています。

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先輩留学生と熱烈交流

今回の研修ツアーは、中国の高校生たちに日本の大学の進んだ研究や教育を学んでもらうと同時に、中国人留学生たちの活躍ぶりを直に見聞きすることを通して、日本への理解を深め、日本留学へのモチベーションの向上につなげることを目標に掲げています。

最初に訪問した久留米大学では、学長表敬を行い、先端癌治療研究センター所長から「がん治療研究最前線」の動向について講義を受けました。また、久留米大学病院高度救命救急センターに常駐するドクターヘリをも観覧し、生徒たちが日本の先端医療体制に直に触れることができました。

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ドクターヘリ観覧

翌日の九州大学では、水素エネルギー国際研究センターを訪問し、中国人教授から「水素エネルギー時代を迎える」を題とするレクチャーを受けました。その後水素エネルギー実験室を見学し、生徒全員が水素自動車に試乗することもできました。

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水素自動車試乗

福岡工業大学では、半導体技術研究所・先端測量研究センターを訪問し、中国人教授からナノ技術研究の実情や3D画像形成及び用途について詳しくご紹介をいただきました。

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震度7を体験
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先端計測機器の説明を聞く

午後には大学付属高校を訪れ、福岡県内の工業高校生徒の研究発表を傍聴したり、百人かるたのリハーサルに来ている生徒たちとスマホの翻訳アプリを使って歓談したりして、日本の高校生との交流も図られていました。

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スマホの翻訳アプリを使って交流

西日本工業大学では、デザイン学部を訪問し、グラフィックデザインを学ぶ教室で、生徒たちが画像編集を体験しました。

また、高校生たちに日本の文化や日本社会の仕組みに対する認識と理解を深めてもらうために、北九州環境ミュージアム(公害克服の歴史)、福岡市民防災センター(防災意識と防災スキルの向上)、太宰府天満宮(日本の受験文化)、農産物直販店「伊都菜彩」(都市と農村の新しい交流形態)といった施設にも案内しました。

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北九州環境ミュージアム
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「伊都菜彩」で品定め

中国ではこのような体験に全く接する機会のなかった生徒たちは、大いに興奮して反応していました。

修了式当日、九州大学留学センターの中国人教授から「大学の国際化」という題目で日本留学の魅力に関するご講義があり、それを聞いて熱心に質問する生徒たちの声が会議室の外でも聞こえていました。

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大宰府天満宮合格祈願.

わずか1週間程度の短い滞在でした、終了報告アンケートには、ほとんどの生徒が「留学生」として日本を再訪したい(9名)、または研究者として来日したい(3名)と答えています。訪問団の皆さんの将来が楽しみです。

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博多山笠が皆さんを待ってるばい.