2016年度活動レポート(一般公募コース)第275号
大学との連携を活かした日台科学交流
大阪府立千里高等学校からの報告
さくらサイエンスプログラムの支援により、平成28年10月18日~24日の日程で、台湾・台中にある国立中科実験高級中学から5名の生徒と1名の先生を招へいし、科学交流プログラムを実施しました。
今回のプログラムでは、本校生徒との合同課題研究発表会の実施により、日本・台湾の高校生が互いの研究を議論して課題を共有する場とし、また、大学・博物館の訪問研修を通じて、日本の高度な科学技術に対する理解を深めることをねらいとしました。
プログラムの前半は、本校での合同課題研究発表会、授業参加、大阪大学蛋白質研究所での研修、本校生徒宅へのホームステイを、後半はは、東京・横浜において、科学館等の訪問研修を行いました。
合同課題研究発表会
総合科学科2年生の授業「科学探究」(課題研究)の中間ポスター発表会で、本校生と共に研究発表を行いました。
台湾の生徒による発表は、「Making a DSSC battery」「Exploring and analyzing the car dealers along the Chorng Der Road、 Taichung and their characteristics」。
本校からは50研究の発表を行いました。さらに、大阪府立生野高等学校の物理分野の研究1グループも招待し、日本・台湾の生徒同士で活発な交流を行うことができました。
大阪大学蛋白質研究所訪問研修
大阪大学蛋白質研究所教授の栗栖源嗣先生による講義と研究施設の見学を実施しました。講義ではスライドや簡単な実験を通じて、タンパク質研究への理解を深めました。
また、同研究所が設置する国内有数の規模・台数の核磁気共鳴装置(NMR)の見学では、大阪大学の研究設備の素晴らしさについて知ることができました。台湾の生徒からは、NMRでの研究内容やタンパク質のX線構造解析の手法についての質問がありました。
クラブ体験・交流
放課後は、ホストファミリーの本校生徒と一緒にクラブの体験をしました。理科研究部では、塩ビミラーを用いた万華鏡の作成や、ふだんの研究についての紹介を行いました。
また、ダンス部や茶道部の活動も体験し、生徒とも友情を深めることができました。
三菱みなとみらい技術館訪問研修
三菱リージョナルジェットMRJやロケットエンジン、しんかい6500の模型など、迫力十分の展示物に、台湾の生徒たちや引率の先生も興味津々でした。
引率の台湾の先生は、「三菱は、陸・海・空すべての運輸にかかわっているのですね」と感心していました。さまざまな展示を前に、予定時間もあっという間に過ぎました。
日本科学未来館訪問研修
物理に興味のあった生徒は、スーパーカミオカンデの模型に大変興味を持っていました。ニュートリノ観察でノーベル賞を受賞された小柴昌俊先生に関する話も興味を持っていました。
また、国際宇宙ステーションの居住棟の模型では、科学館ボランティアの方の説明を熱心に聞いていました。
台湾の生徒たちは、大阪・関東のそれぞれにおいて、日本の高校生の生活や課題研究の交流、日本の大学等の優れた科学・技術に触れることができ、大いに刺激を受けたようでした。
今後の再来日に期待できそうです。日本と台湾の高校生がこれらの科学交流を通じ、科学技術への共感と深い友情を育み、将来、国・地域を超えて協力できる科学者・技術者となることを願っています。
最後になりましたが、さくらサイエンスプログラムのご支援に感謝いたします。