2016年度 活動レポート 第273号:長崎大学薬学部

2016年度活動レポート(一般公募コース)第273号

長崎で学ぼう!~出島のくすりから先端創薬まで~

長崎大学薬学部からの報告

さくらサイエンスプログラムの支援を受け、長崎大学薬学部では、タイ王国のチュラロンコン大学から10名の学生および大学院生に対して、科学技術体験コースを実施しました。期間は、1月15日から21日までで、「長崎で学ぼう!~出島のくすりから先端創薬まで~」というテーマで交流を行いました。

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懇親会の様子

プログラム初日は、自己紹介とオリエンテーションを行い、スケジュールの確認とともに、昨年で創立125周年を迎えた長崎大学薬学部の歴史紹介と、学部の概略の説明を行いました。

薬学部玄関での記念撮影
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オリエンテーションの風景

その中でも、日本とタイ王国の薬学教育のシステムの違いや、薬剤師免許取得制度の違い等に学生の興味が集まり、多くの質疑応答がありました。その後、薬学部に設置された「お薬の歴史資料館」や「下村脩名誉博士顕彰記念館」を見学し、特に、長崎大学薬学部ご出身の下村名誉博士がノーベル化学賞を受賞された研究にまつわるエピソードには感銘を受けたようでした。

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下村脩名誉博士顕彰記念館の見学

2日目は、長崎大学リエゾン機構の教員により、古くから外国との交流がある長崎の歴史に関する講義があり、午後には、海洋生物由来の生理活性成分に関する創薬科学研究の講演を聞いたり、薬用植物園の見学を行いました。

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附属薬用植物園の見学

この日の夕方には、このプログラムに携わる薬学部の教員、チューターのガーナ、エジプト、中国、タイからの留学生や日本人学生等を交えて、国際色豊かな歓迎会を開くことができました。

3日目は、キャンパスを移動して医療薬学系の研究室見学や薬物送達に関する講義を受講し、午後からは感染症創薬に関する講義を受け、生物薬学系の研究室を訪問しました。研究内容などの説明を受け、幅広い薬学の研究教育内容に興味を抱いたようでした。

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医療系薬学系の研究室見学

4日目は、大村市にある長崎県環境保健研究センターに向かい、そこで県民の生命・健康の維持、食の安全・安心の確保、環境の保全などに関する業務の説明を受けながら、施設見学を行い、薬学の知識がどのように活用されているのかを注意深く聞いていました。

その後、鳥栖市にある中富記念くすり博物館に移動し、多くの日本のくすりの資料や貴重な生薬標本などを見学し、薬の発展の歴史に感銘を受けたようでした。

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中富記念くすり博物館の見学風景

5日目は、久留米市にある日本赤十字社九州ブロック赤十字血液センターを訪問し、白衣に着替えて施設の見学を行いました。血液製剤の製造現場や血液検査の様子を直に観察し、献血から血液製剤ができるまでの過程は学生にとっても初の見聞で、大変興味深かったようです。

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日本赤十字社九州ブロック血液センター見学

午後には福岡市に移動し、長崎大学の教員2名を交えての研修報告会が行われました。報告会では、スライドによる学生のプレゼンテーションが行われ、それぞれが最も印象に残った事柄等について報告がなされました。その後、各人に修了証と記念品が手渡され、全日程が終了しました。

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最終日の学生プレゼンテーション
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長崎県環境保健研究センターでの記念撮影