2016年度 活動レポート 第271号:横浜市立大学医学部

2016年度活動レポート(一般公募コース)第271号

ヒトの幸福に医学・医療がどう貢献するかを考える国際交流

横浜市立大学医学部からの報告

横浜市立大学では2016年8月1日~8月10日まで、 “心身ともに健康で充実した生活を送る”という普遍的な願いを妨げる、医学的知見のみでは解決できない諸課題-例えば、感染症、食糧難等-について、共に解決の糸口を探ることを目的にYCUサイエンス・サマープログラムを開催しました。

『ヒトの幸福に医学・医療がどう貢献するか』をテーマに、さくらサイエンスプログラムの支援を受けた東南アジア圏からの学生を含む14名の海外学生と本学学生が、共に全て英語で学びました。

プログラムは、
(1)先端的研究を行う研究者による講義
(2)医学部や付属施設見学
(3)グループワーク
という3つの要素で構成されました。

写真1
KJ法によるアイディアの整理(グループワーク)

主に医学部のある福浦キャンパスで行われましたが、滞在2日目には横浜や鎌倉へのエクスカーションを行い、教室外でも交流を深めました。

エクスカーション:鎌倉

プログラムスケジュール

8月1日(月) 到着
8月2日(火) エクスカーション
8月3日(水)開講式(五嶋良郎副学長)

講義『幸福とは』(白石小百合教授)
舞岡キャンパス・木原生物学研究所見学

写真3
開講式:五嶋良郎副学長
写真4
舞岡キャンパス見学
8月4日(木) 講義

『糖尿病の最新治療』(寺内康夫教授)
『DNA修復研究のいま』(足立典隆教授)
『新興感染症:過去、現在、未来』(梁明秀教授)

8月5日(金) 講義

『臨床研究概論』(山中竹春教授)
『公衆衛生:病原菌との闘いから、人間の矛盾・社会の矛盾との闘いへ』(一原直昭特任助教(東京大学))
『集団の健康状態を向上させるための疫学』(後藤温室長(国立がん研究センター)
本学鶴見キャンパス見学

写真5
本学鶴見キャンパスの核磁気共鳴装置見学
8月6日(土) 講義

『ヒト疾患と rare variants』(松本直通教授)
『iPS細胞からの機能的臓器の創出』(村田聡一郎教授)
『大腸癌による死亡を減らすための戦略』(日暮琢磨助教)
『臨床腫瘍医が人類の幸せに対してできること』(市川靖史教授)

8月7日(日) 休日
8月8日(月) 講義

『タコ足細胞は腎臓の主役』(廣瀬智威講師)
『腹腔鏡ロボット手術のシミュレーションと分析』(槙山和秀准教授)
『Allergy is friends: How to live with it』(Professor Orapan achanukoon(タマサート大学))
プレゼンテーション指導(井村秀文特任教授)

写真6
腹腔鏡シミュレーター操作を体験
写真7
Professor Orapan Poachanukoon(タマサート大学)講義
8月9日(火) プレゼンテーション

『今後自分が果たしていきたい役割』
閉校式・修了証書授与式、フェアウェルパーティ

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グループプレゼンテーションの準備
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グループプレゼンテーション
写真10
修了証書授与
8月10日(水) 帰国

※各日の講義後、プログラムコーディネータである五嶋副学長がその日の講義のまとめを行い、意見交換を行うことで理解を深めました。

『ヒトの幸福に医学・医療がどう貢献するか』をテーマに、様々なバックグラウンドを持つ学生が、共に医学・医療教育の思考方法を学び、今後自分が果たしていきたい役割について考えた10日間でした。

参加学生からは「同じ医学を専攻する学生ながら国により問題へのアプローチが違うことを実感した」という感想がある一方、「国は違っても、課題は思っていたより同じだと思った」、「医学を学ぶ学生どうしの国際的ネットワークができた」といったコメントも寄せられました。

本プログラム実施に際し、貴重な支援をご提供いただきましたさくらサイエンスプログラムに心より感謝申し上げます。

写真11
閉講式終了後の記念撮影