2016年度 活動レポート 第270号:東京海洋大学

2016年度活動レポート(一般公募コース)第270号

ミャンマーの水産業を科学的立場から支える若手研究者を育成する

東京海洋大学からの報告

東京海洋大学では、さくらサイエンスプログラムによるご支援により、ミャンマーの4つの組織(ヤンゴン大学、モーラミャイン大学、ミャンマー海事大学、農業・牧畜・灌漑省水産局)から、教員3名、大学院生1名を招へいし、11月7日から11月15日の日程で科学技術体験コースを実施しました。

ミャンマーは東南アジア有数の水産国です。この招へいの目的は、ミャンマーの水産業を高度な科学的立場から支えることのできる若手研究者の持続的な育成に貢献することです。

そのために、東京海洋大学がこれまでに構築した4つの組織との国際交流協定を基盤として、本コースを実施しました。なお、水産学が広範・多様なフィールドより構成されること、また人材育成の持続性も考慮して、招へいは3年間の計画で行う予定で本年度はその初年度となります。

初日は朝ヤンゴンを出発し、夜羽田空港に到着しました。到着が遅い時間なので、出迎えの教員と共にそのままホテルに向かいました。

2日目の午前中は東京海洋大学品川キャンパスにてオリエンテーションを行いました。

午後は品川キャンパスで各種の施設、鯨ギャラリー資料館や水理模型実験棟などを見学し、レクチャーを受けました。

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水理模型実験棟にて

3日目も引き続き大学の施設を訪問しながら、レクチャーを受けました。午前中は豊海埠頭の付属練習船海鷹丸、午後は越中島キャンパスを訪問しました。越中島キャンパスでは、ミャンマーより現在来日している学生さん達の研究内容のプレゼンテーションを聞き議論を行った後、構内の重要文化財明治丸なども訪問しました。

豊海埠頭の練習船海鷹丸にて
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ミャンマーからの在校生と研究内容について議論

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重要文化財明治丸にて

4日目は、午前中に日本水産(株)八王子総合工場を訪問しました。工場の方から概要の説明をうけた後、水産物その他の食品工場の見学を行い、レクチャーを受けました。午後からは、お台場の日本科学未来館を見学しました。

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服装を整えていざ食品工場の内へ
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昼食

5日目は日帰りで静岡県へ出かけました。朝東京から静岡県榛原郡吉田町にある本学の水圏科学フィールド研究教育センター吉田ステーションに向かいました。ステーションにおいては魚類養殖および食品加工の研究・実習設備を見学しながらレクチャーを受けました。実習場の近くの養鰻場も見学しました。

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ウナギ養殖のレクチャー
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養殖魚の成熟のレクチャー

6日目と7日目は土日となりました。休日なので公式行事はなく、海洋大学のミャンマー人留学生他と都内や鎌倉の大仏に出かけました。

8日目は品川キャンパスにて海洋生物や養殖魚に関するレクチャーを受けるとともに、各種実験設備を見学しました。午後には学部3年生の学生実験も見学しました。

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海洋生物の毒のレクチャー
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海洋プランクトンのレクチャー

最後にアンケート記入、報告会と今後の交流などの意見交換、国費留学生制度の説明などを行いました。

9日目はホテルから羽田空港へ向かい、午前便にてヤンゴンへ向け出発しました。

東京海洋大学は、帰国留学生、国際交流協定、JSPSのプログラムなどを使用して、ミャンマーと交流を進めておりますが、今回のさくらサイエンスプログラムによるご支援はその強力な援軍となりました。

本招へいは3年間の計画なので、次年度以降の2年間でさらなる交流を重ねたいと思います。そしてこれらの交流がミャンマーの若手水産学研究者の日本留学に繋がることを期待しています。