2016年度 活動レポート 第269号:岡山大学

2016年度活動レポート(一般公募コース)第269号

日本の最先端科学教育と伝統文化を通した国際交流

岡山大学からの報告

平成28年9月28日〜10月5日の間、パプア・ニューギニアの高校生10名と教員1名を岡山大学に招へいしました。本招へいの目的は、岡山大学における最先端科学教育を体験してもらうと共に、地元の高校生との交流や企業訪問を通した文化交流により、日本における科学と伝統文化がどのように生活に息づいているか学習してもらうことでした。

初日、最終日は移動日のため東京で宿泊、モノレールの乗車体験をしました。

2日目

お昼過ぎに岡山大学に到着。本学学生と教員によるオリエンテーションを行い、岡山大学や日本についての基礎知識を確認し、今後の活動への期待で胸を膨らませていました。学長訪問も行い、夜は本学学生と共に大学近くの学生向け食堂でご飯を食べ、友好を深めました。

3日目

本学教育学研究科の喜多雅一先生による科学講義を1日受講しました。喜多先生は、パプア・ニューギニアの理科と算数の小学校向け教科書の開発に携わるなど、馴染みの深い先生です。講義ではライデン瓶を作り、静電気をためて電気ショックを味わう等、座学に留まらない実践的活動を行いました。高校生は積極的に意見を発表し、主体的な学びができました。

写真1
左は演習の、右は講義の様子。本プログラムでは、座学に留まらず、参加者が主体的に学ぶ機会を多く提供することで、科学技術の多種多様な側面を学びました。

4日目

矢掛町に行き、現地の高校生と交流すると共に、本陣や醤油屋といった日本の伝統的な史跡、施設を見学しました。昼は流しそうめんをみんなで食べ、一気に距離感が縮まりました。パプア・ニューギニアの高校生によるプレゼンテーションや、日本の高校生による観光案内を通してお互いの文化理解を深め、最後にはパプア・ニューギニアの高校生が日本の高校生にサプライズ・プレゼントをするなどと、国境を超えた友人の輪ができていました。

矢掛町にある醤油屋見学時の写真。日本の高校生も同伴し、共に見学を行うことで交流を深めると共に、日本の伝統文化についても理解を深めました。
写真3
矢掛町において高校生と交流をしている際の写真。高校生が箸の使い方を参加者に教えたり、また参加者が高校生にパプア・ニューギニアの挨拶を教えたりと、交流を深めていました。

5日目

午前は矢掛町で農業体験を行いました。収穫体験や、農業機材の見学を行い、また同伴の高校生とお昼はBBQをして楽しんでいました。午後は岡山市に戻り、テレビ局の見学を行いました。日本でも有数のガラス張りのスタジオや、様々な工夫の凝らされた作業室を見学し、参加者はその技術工夫の高さに驚いていました。

写真4
矢掛町での農業体験の様子。実際に果物を収穫することで、農業についての講義内容と、その内容がどのように活かされているか学びました。
写真5
岡山市にあるテレビ局見学時の写真。スタジオはガラス張りで、外部の人が放送中も自由にその様子を見学でき、双方向のコミュニケーションを取ることができる画期的な試みがされています。

6日目

倉敷に出発、午前はJFEスチール様を見学、午後は本学施設、資源植物科学研究所で講義を受けました。日本における最先端工業技術を見学し、研究や科学がどのように日本社会を支えているか学びました。また、資源植物科学研究所では、講義を通して学び、前日の矢掛町において体験した農業が、科学とどのような関わりを持っているか学びました。

7日目

活動最終日の午前中は、本プログラム修了式を行い、午後は姫路城観光を行いました。移動では初の新幹線を体験し、その速度と静粛性に驚いていました。姫路城では、現代の科学技術のみならず、日本の伝統的な建築技術を学びました。

写真6
修了式の様子。一人一人学んだことについてプレゼンテーションを行い、修了証をもらいました。主体的な学習を通じて、多くのものを得ることができ、参加者の今後の進路の参考になったようでした。

本研修では、参加者が日本における科学技術の多種多様な側面を、研修や実習、見学を通して学びました。参加者の中には、本学への進学を考える学生もいるため、今後の両国間の活発な若手研究者の交流が期待されます。