2016年度活動レポート(一般公募コース)第264号
インド・デリー準州の高校生が福岡県で環境をキーワードに学習
福岡県からの報告
福岡県は、インド・デリー準州と、2007年に友好提携を締結し、環境や青少年といった分野で交流を進めています。
今回、さくらサイエンスプログラムによる支援のもと、インド・デリー準州のエコクラブ(デリー準州の中学・高校に設置されている環境美化やリサイクル等に取り組むクラブ)に所属する高校生10名を招へいしました。
今回のプログラムのテーマは、「福岡県の最新の環境技術を学ぶ」です。
本県は、高度経済成長期の公害を克服する過程で蓄積してきた優れた環境技術やノウハウを有しています。一方、インドでは、急激な経済発展と人口増加による環境問題が深刻化しています。
このため、本県にある多様な環境関連施設の視察や、環境分野に携わる専門家の講義など、環境保全活動のリーダーを育成するプログラムを実施しました。
プログラム1日目
到着後、福岡県庁を訪問し、福岡県の国際局長から、「このプログラムから多くのことを学び、帰国後はリーダーとしてデリー準州の環境改善に力を尽くしてもらいたい」との激励を受けました。
プログラム2日目
環境関連の専門科目を学ぶ「環境科学コース」が設置されている福岡県立柏陵高校において、高校生と交流をしました。
また、福岡県保健環境研究所において、大気汚染観測装置を見学するとともに、同研究所の大気課長から説明を受けました。
プログラム3日目
「福岡県にある最先端の科学技術」について学ぶことを目的に、九州大学の水素エネルギー研究施設、下水汚泥から水素を製造する福岡市中部水処理センターの視察、水素自動車の試乗を行いました。
プログラム4日目、5日目
週末には、福岡県築上郡上毛町の有田地区の農家に宿泊し、様々な農作業を体験しました。また、地域の子供たちから「神楽」を披露いただくなど、草の根交流が実現できました。
プログラム6日目
北九州エコタウンを訪問し、廃棄物ゼロを目指したリサイクルの街づくりについて学習したほか、企業、大学、行政の連携による、最先端の廃棄物処理技術の実証施設を見学しました。
また、最新鋭のごみ処理工場施設「クリーン・エネ・パーク南部」を訪問し、日本の廃棄物処理技術を学びました。
プログラム7日目
福岡女子大学の馬 昌珍教授に「エネルギー使用に伴う大気汚染」に関する講義と実験をお願いしました。生徒たちは、熱心に質問するなど、大変充実した講義となりました。
午後からは、県庁において、プログラムを通じて得た成果と今後の活動について、発表しました。
生徒たちからは、「日本の最先端の技術に感動した」、「日本で得た知識を仲間に伝えたい」、「日本に留学したい」、「このプログラムを実施していただいた福岡県とさくらサイエンスプログラムに感謝する」という声が多数聞かれました。
生徒たちは、本プログラムで多くのことを学ぶことができ、また、得られた知識や経験は、きっと帰国後の活動に活かされるものと考えています。
また、今回、縁あって招へいした生徒たちが、福岡県、日本とデリー準州、インドとの交流の架け橋となっていただくことを大いに期待しているところです。