2016年度活動レポート(一般公募コース)第254号
材料科学研究人材層の育成と長期国際共同研究への挑戦
大阪大学接合科学研究所からの報告
2016年11月16日~12月6日の3週間に渡り、大阪大学接合科学研究所5度目となる、さくらサイエンスプログラムの支援による海外学生の受け入れを行いました。
今回は国立台湾大学(台湾)から2名、モンクット王トンブリ工科大学(タイ)から2名、インド工科大学ハイデラバード校(インド)から4名、合計8名を招へいしました。
今回の招へいは、本年度から新規開始されたさくらサイエンスの「複数年」交流のスキームを利用しての実施でした。そのため、下記の3大学については本年度から3年間に渡り、年一度の招へいが継続されるため、毎年来訪する参加者の共同研究を通して、最終的に一つの大きな成果に到達することを期待するものです。
3週間の滞在中、参加者はそれぞれ当研究所の田中研究室、近藤研究室、内藤研究室、伊藤研究室、西川研究室に配属され、「アーク溶接によるアディティブマニュファクチャリング要素の微細構造観察」、「サブマージアーク溶接によるアーク波形現象の可視化」、「バルクアディティブマニュファクチャリングにおけるツインワイヤーガスメタルアーク溶接の振動評価」、「アーク溶解によるTi-Nbの-Xガム金属合金の製造」、「セラミック材料の複合」などの共同研究に取り組みました。
活動初日と2日目には、オリエンテーション、当研究所施設見学、および受け入れを行う各研究室の研究紹介などを行いました。最新機器が揃う当研究所の施設見学では各機器の利用法や用途について活発な質問があり、熱心に施設見学を行いました。
12月5日には当プログラムの最終報告会を開催し、各参加者は3週間の研究報告を行いました。短い滞在でしたが、週末の休みを惜しんで熱心に取り組む学生もおり、充実した研究内容が報告されました。
参加者からのコメントでは、「研究室に多くの留学生や異なる経験を持つ研究者(学生)が集まっていることに強い刺激を受け、より広い視野で物事を見る必要性を学べた」、「研究所の最新機材を見て、研究意欲が向上し、感覚を刺激された」、「物事に対する日本の正確さに感動した」などの感想がありました。
気候も比較的良く、参加者は研究は勿論、美しい日本の景色を満喫したようで、将来的にはさらに長く当研究所に滞在したいという声が多く聞かれました。複数年度にわたる交流は今年度からの開始であり、引き続き今後の交流に期待が寄せられます。