2016年度活動レポート(一般公募コース)第246号
香川で確立した学際的な生活習慣病の予防・管理戦略の研修
香川大学医学部からの報告
タイ(4名)、ミャンマー(2名)、ブルネイ・ダルサラーム(2名)、ベトナム(2名)が参加して、2016年12月4日から12月11日の日程で、生活習慣病に関する研修を行いました。内訳は、教員6名、医師2名、学生2名でした。香川大学からも、大学院生1名が参加し、またブルネイ・ダルサラーム大学の学生10名も参加しました。
①タイ、ミャンマー、ブルネイ・ダルサラーム、ベトナムの生活習慣病の現状をカントリーレポートとして報告
②日本の生活習慣病の現状と健診や予防についての講義と実習
③生活習慣病の治療・合併症・リハビリの講義と施設見学
④香川特有の希少糖の抗メタボ効果に関する講義と生産工場見学
⑤参加者の課題に合わせたプログラムに分かれて研修
⑥研修内容を踏まえて自国への活用可能性報告
の内容で研修を展開しました。以下概略の説明をします。
①カントリーレポートでは、4カ国の現状を参加者で共有できました。渡日前から指示を出し報告する課題を明確化していたことが良かったと思います。
どの国でもほぼ同じような問題を抱えているものの、文化や宗教、食生活、社会環境、医療制度などの点において相違があり、問題点も少しずつ異なることが分かりました。研修期間において、何に重点を置いて勉強すればよいか、またこちらとしても指導すればよいかがわかりました。
②日本での生活習慣病の現状と、その克服のために10年以上実施してきている取り組みの紹介です。メタボ健診とは何か、そして実際にどのように行うのか、その後の指導方法などについて具体的に勉強しました。運動の重要性を学び各国に適した運動があるのではないかなどの意見が出ていました。
③生活習慣病の心臓血管疾患、脳血管疾患など多くの合併症について、日本の状況と各国の状況を比較しながら勉強しました。また、リハビリを専門とする病院での機能回復訓練を見学し日本の優れた医療器具や補助器具について感嘆の声を上げていました。
④香川で生まれた希少糖は、生活習慣病の予防や改善に活用できる可能性があります。こうした希少糖がどのようにして作られるのか、その効果の検証をどのように行っているのかについて、講義と工場見学で学習しました。大きな興味を示していました。
⑤参加者はカントリーレポートで、少しずつ異なった問題や課題を持って参加していました。そこで1日はその個別課題に対応することができる時間を設けました。タイやブルネイ・ダルサラームの参加者は希少糖を自国で導入するための議論をしました。ベトナムの参加者は医療関係者との会合を、ミャンマーの参加者は香川大学と愛媛大学との共同事業について議論しました。
⑥参加者は最後に、それぞれが今回の学習で得たことについて、発表を行い、教員や他の参加者などからの評価を受けました。カントリーレポートで示した課題や問題点への解決策についての方向性を、今回の研修で得た知識により提言しました。
参加者は全て充実した研修を終え、それぞれの国にホットな情報を持って帰りました。